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【社会】

北海道地震1週間 1592人避難 北電、問われる初動

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 最大震度7を観測した北海道の地震は十三日で発生から一週間。大規模な土砂崩れなどで四十一人が死亡し、一時は道全域の約二百九十五万戸が停電に陥った。ほぼ解消してもなお、電力不足が懸念される状況は変わらず、節電が長期化する可能性もある。生活再建に向けた動きが進むが、現在も千五百九十二人が避難しており、復旧への道のりは遠い。

 地震は六日午前三時七分に発生。震源地とされる厚真町で三十六人が犠牲となった。道によると十二日現在、六百八十一人が負傷し、建物被害は全壊百九棟以上、半壊百十九棟に上る。

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 地震の影響で北海道内のほぼ全域に及んだ停電は、一部地域を除き解消した。しかし、道内最大の火力、北海道電力苫東厚真発電所(厚真町)の全面復旧は十一月以降になる見込み。企業や家庭は通常の二割の節電が求められており、需要が増える冬場を控え電力需給は綱渡りの状況が続く。一方、地震発生から全域停電まで約十八分あったことが分かり、北海道電の初動対応が適切だったか、経済産業省は検証する方針だ。 (伊藤弘喜)

 震度7を観測した厚真町にある苫東厚真発電所1、2、4号機の三基のうち、2、4号機の二基が発生直後に緊急停止した。二基の供給力は計百三十万キロワットで、当時の電力需要三百十万キロワットのうち四割をまかなっていた。

 電力システムは家庭や工場が使う量(需要)と、発電所が発電する量(供給)のずれが一定以上大きくなると、工場の機械が故障したり停電したりする。通常はずれが起き始めると、供給や需要を自動的に増減してバランスを保つ。需要を「みこし」に、供給を「担ぎ手」に例えると、一部の担ぎ手がいなくなれば、残った担ぎ手がさらに頑張るか、他から応援を得るような仕組みだ。

 北海道でも2、4号機の停止で足りなくなった百三十万キロワット分を補おうと、この仕組みが働いた。国の電力広域的運営推進機関によると、地震発生五分後には、北海道と本州をつなぐ連系線で本州から送り込まれる「応援」の電気が最大容量の六十万キロワットになった。ほかの道内にある発電所も供給を増やしたとみられる。

 また需要側でも、北海道電は一部地域を停電させて需要を減らすシステムは、作動したとしている。しかし、地震発生から十八分後の午前三時二十五分に何らかの原因で全域停電した。

 東京電機大の加藤政一教授(電力システム)は「減った供給に対し、需要を減らす量が不十分で、需給調整が間に合わず、全域停電に至ったのではないか」と推測する。世耕弘成経済産業相は、北海道電と電力広域的運営推進機関に対し原因究明を指示。第三者を加えた組織で検証を進める。

 大規模な発電所が停止した際のリスクでは、他地域も人ごとではない。東京電力管内では、二〇〇七年の新潟県中越沖地震で、供給の一割強を担っていた柏崎刈羽原発(新潟県)が停止。地続きの本州では他の電力会社から電力を融通してもらえる余地が大きく、この時は中部電など六社からの融通で何とか乗り切った。

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