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【社会】

保育所実地検査 半数満たず 首都圏37市区 本紙が調査

 認可保育所の安全性などを行政が確認する実地検査について、保育所の多い東京二十三区や関東の政令市・中核市の計三十七市区での実施率を本紙が調べたところ、二〇一六年度は46・2%と半数に満たないことが分かった。待機児童対策で保育所の整備を急ぐ一方、安全確認などが置き去りにされている実態が浮かび上がった。 (奥野斐)

 児童福祉法の施行令は、都道府県や政令市、中核市に、年一回以上、管内すべての保育所の実地検査を義務付けている。実際に立ち入り、施設の安全面や保育士の数、子どもへの接し方などが適切か検査しなければならない。一五年度からは子ども・子育て支援法に基づき、市町村や二十三区も都道府県とは別に同様の検査を行えるようになった。

 本紙は、関東の政令市・中核市に保育所の多い東京二十三区を加えた計三十七市区について調査。その結果、一六年度中に行政がいずれかの検査で入った認可保育所は、全三千五百五十八施設のうち千六百四十五施設で、46・2%にとどまった。

 特に低さが目立つのは東京二十三区で、全体で24・7%だった。児童福祉法上の義務を負う都が、都内全体で11・1%しか実施できていないことが大きい。都の担当者は「施設の増加に体制が追いついていない。新しくできた施設や問題点が多い施設を優先している」と話す。ただ、区の努力で差も出た。新宿、江東区は、子ども・子育て支援法に基づく権限で全施設に検査に入り、100%を達成。一方、文京、渋谷、北区などは独自の検査はせず、10%に満たなかった。

 政令市と中核市は、おおむね高い割合で実施していたが、横浜、さいたま、越谷市などでは、市が設置する公立保育所を検査していなかった。県と市の間で、検査の権限がどちらにあるのか見解が異なり、結果的にどちらもみない状態になっている。

 認可保育所は、設備や保育士の配置など国の基準を満たして開設されるが、継続的に安全や健全な運営を保つために、行政のチェックは不可欠だ。都の同年度の報告によると、実施したうち約六割の百四十五施設に、保育士不足や、震災・火災などに備えた避難訓練などをしていないなど、文書で改善報告を求めるレベルの法令違反があった。

<調査方法> 今年6〜7月、東京23区と関東の政令市、中核市の計37市区に、認可保育所への実地検査について、最新データがそろう2016年度の実施状況をアンケート。今春から中核市になった埼玉県川口市は対象から外した。

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