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【社会】

熊谷6人殺害 賠償請求 「逃走周知せず」遺族、県を提訴

 二〇一五年九月に起きた埼玉県熊谷市の男女六人殺害事件で、強盗殺人罪などに問われたペルー人の男=一審で死刑判決、控訴中=が、事件前に熊谷署から逃走したことなどを県警が公表していれば、妻子三人は被害に遭わなかった可能性が高いとして、遺族の男性(45)が十四日、県に約六千四百万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴した。

 訴状では、熊谷署から男が逃走した翌日に五十代夫妻が殺害され、県警が数時間後に男を参考人として手配していることなどから「男の犯行とみて、さらに事件が生じる危険を認識していた」と主張。県警が男の逃走を防災無線などで周知しなかったために妻子三人が殺害されたとして、犯罪予防のための危険回避措置を定めた警察官職務執行法に違反するとした。

 県警は事件後に発表した検証報告書で、逃走を周知しなかったのは「男と五十代夫妻殺害事件の結び付きが証拠上明らかでなかった」と説明。その後、事件を教訓に防災無線などで不審者情報の発信を始めた。

 殺害事件の一審判決によると、ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(33)は一五年九月十三日に任意同行された熊谷署から逃走。十四日から十六日にかけ、男女六人が殺害された。男性の妻加藤美和子さん(41)、長女美咲さん(10)、次女春花さん(7つ)=年齢はいずれも当時=は十六日に犠牲になった。

 男性はこの日、さいたま市内で会見し「裁判をしても、心が報われる日はないが、少しでも整理をつけたい」と提訴した理由を説明。「男が逃げていることを知っていれば、戸締まりするなり用心できた。県警は落ち度を認め、正直に事実を述べてもらいたい」と訴えた。

 県警は「訴状を受け取っていないのでコメントは差し控える」としている。

 

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