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【社会】

東海第二「適合」 批判意見認めず 規制委、審査書を決定

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 首都圏唯一の原発である日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)について、原子力規制委員会は26日の定例会合で、新規制基準に適合したとする審査書を正式決定した。国民からの意見募集(パブリックコメント)で、東京電力による原電への資金支援への疑問や、東海第二が東日本大震災で被災したことへの不安が寄せられたが、規制委がそうした声をくみ取ることはなかった。 (越田普之)

 東海第二は震災で外部電源を失い、非常用発電機の一部が使えなくなり、残りの発電機でかろうじて原子炉を冷温停止させた。被災原発の新基準適合は初めて。再稼働には、県と東海村や水戸市など三十キロ圏の六市村の同意が必要で、見通しは立っていない。

 規制委の会合では、一カ月間実施したパブコメの内容が報告された。集まった約千二百五十件の大半が再稼働に批判的。原電が約千八百億円の対策工事費を工面するため、福島第一原発事故を起こした東電から支援を受けることが特にやり玉に挙がった。

 「政府の資金が投入されている東電から支援を受けるのは道理がない」「支援がなければ再稼働できない状態なのに、事故時の賠償や収束費用はどうするのか」。そういった疑問の声に対し、規制委は「資金支援の意向が確認でき、工事費を調達できると判断した」と答えるにとどまった。

 「東日本大震災でダメージを受け、再稼働すべきではない」という意見も目立った。規制委は、一部設備で震災による損傷があったことは認めたものの、機能的に問題ないとして不安に応えなかった。

 ケーブルの火災対策への関心も高かった。審査書によると、全長千四百キロの約四割だけを燃えにくい素材へ取り換え、残りを防火シートで覆う。パブコメでは「防火シートに、同じ効果があるとは思えない」と批判が集中したが、規制委は「十分な保安水準が確保される」などとした。

 津波で「大型船舶が漂流して原子炉建屋や防潮堤に衝突する」との指摘にも、規制委は「基準津波の流速や流向から漂流してくる可能性はない」と一蹴した。

 規制委は、パブコメを受け、審査書案の細かな字句修正をするだけだった。これまでもパブコメを重視する意識は薄く、手続きの形骸化が進んでいる。

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