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【社会】

加重逃走で樋田容疑者逮捕 丸刈り、日焼け…印象変わる

樋田淳也容疑者

写真

 大阪府警富田林署から勾留中の無職樋田淳也容疑者(30)が逃走した事件で、府警は三十日、加重逃走の疑いで樋田容疑者を逮捕した。山口県周南市内の道の駅で万引をしたとして、県警が二十九日に窃盗容疑で現行犯逮捕し、いったん釈放した。府警は身柄を県警周南署から大阪市の府警本部に移送、四十九日間にわたる逃走の詳しい足取りを調べる。

 府警によると、樋田容疑者は黙秘している。自転車で日本一周をしている無職の男(44)と一緒に道の駅に来ていた。男が逃走事件に関与した可能性は低いとみている。

 山口県警は三十日、和歌山県橋本市内で放置された盗難自転車を乗り去ったとして、占有離脱物横領容疑で男を逮捕。「逃走事件はニュースで知っていたが、樋田容疑者だとは思わなかった。勝手に付いてくるので、本当は嫌だった。うっとうしかった」と供述している。二人は約三週間前、愛媛県の道の駅で知り合い、各地の道の駅などで野宿していた。行動を別にすることもあった。

 逮捕を受け、広田耕一本部長は府警本部で記者会見し「大変なご心配をお掛けしたことを深くおわびします」と謝罪した。

 大阪府警は三十日、逮捕後の樋田容疑者の写真を公開。丸刈りで真っ黒に日焼けして口元と顎にはひげを生やしており、逃走前の写真と印象が大きく変わっていた。所持金は二百八十円だった。道の駅には、逃走当日に大阪府富田林市に隣接する羽曳野市で盗まれた自転車で来ていた。

 逮捕容疑は八月十二日午後七時半から午後九時四十五分ごろ、富田林署の接見室のアクリル板を損壊するなどして逃走した疑い。

◆自転車の荷台 野宿道具

 「まだ精算が済んでいない商品がありますよね」。山口県周南市の道の駅から出た樋田淳也容疑者に、女性警備員二人が声を掛けた。店の事務所に連れて行かれた樋田容疑者は、落ち着いた様子を一変させ、寝転がったり叫び声を上げたりして激しく抵抗した。

 九月二十九日午後五時四十七分。日没を迎えようとしていた周南市の道の駅「ソレーネ周南」の防犯カメラが、国道の坂道を東から上ってくる白いスポーツタイプの自転車を捉えた。台風24号の強い雨に打たれながら乗っていたのは、つばが付いた黒い帽子にサングラス姿の樋田容疑者。顔は真っ黒に日焼けしていた。自転車から降り店内に入ると、食料品売り場で餅やパン、総菜のトンカツを服の下やズボンのポケットに入れた。周りを見回すことなく、数分後には落ち着いた様子で外へ。

 「精算が済んでいない商品がありますよね」。自転車に向かった樋田容疑者に声を掛けたのは、外部委託の女性警備員二人。午後六時までの勤務を終える直前だった。

 樋田容疑者は道の駅の事務所で名前を聞かれても「言う必要はない」と口をつぐんだ。何度も外に出すよう訴え、制止しようとした従業員の手をはねのけて「体を触るな」と声を上げた。駆け付けた警察官とも押し問答になり、寝転がって抵抗。午後七時前、「離せ」などと大声を出しながら警察署に連行された。

 店の外に置かれた自転車の荷台にはビニール傘や釣りざおなど野宿道具が満載。防犯登録は大阪府でされていた。山口県警が府警に照会すると、大阪府富田林市に隣接する羽曳野市内で盗まれたものだったことが判明。「樋田容疑者の可能性がある」。府警の緊迫感は一気に高まった。

 県警は左ふくらはぎの入れ墨で身元確認を試みたが、樋田容疑者は暴れて見せようとしなかった。「写真を送ってください」。府警がデータの送信を依頼し、写真を基に樋田容疑者の可能性が極めて高いと判断。採取した指紋データを県警の鑑識捜査員が照合し、午後九時半に身元を確認した。

 

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