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【社会】

沖縄知事選 負担「もう許せない」 県民 1票に託した思い

 台風24号の爪痕が残る那覇市の投票所で、有権者に一票に託した思いを聞いた。 (井上靖史)

 那覇市の主婦(69)は「これまで政府は基地を沖縄に集中させても金で何とかなるだろうと県民をバカにしたようなやり方をしてきた。でも翁長さんが言ったように、これ以上は許せない」ときっぱり話す。基地建設に明確に反対する玉城さんを選んだという。

 長年保守系を支持し、翁長知事にも入れなかったという同市の別の主婦(70)も、今回は玉城さんに投じた。安倍首相には好感を抱いてきたが「今の政府のやり方は上から押さえ付けるだけ。基地を巡る事故も増えているのに、沖縄とほとんど話し合いにも応じようとしない姿勢が許せない」と失望感をあらわにした。

 基地問題への姿勢を判断材料にした有権者は多い。

 那覇市の主婦古我知(こがち)直子さん(53)は「まだ未成年の子どもがいる。自分より下の人たちが平和に、安全に、笑って暮らせるように願って基地をなくし、トラブルを根本から解決してくれそうな人に投票した」と話す。二〇一六年にうるま市で起きた米軍属による女性殺害事件の痛みも生々しい。古我知さんは「どれだけ沖縄県民は米軍や軍属、家族に苦しめられるのか。米軍関係者が酔っぱらって家に入ってくるような状況は基地の近くに住んでいなければ分からない」と嘆く。

 東京都出身で沖縄在住十年という元福祉施設職員伊藤諭さん(50)は「基地反対はきれいごとのような気もし、判断に迷った」。九カ月の子をあやしながら投票した那覇市の主婦片野愛里沙(ありさ)さん(29)は「子どものためにも基地をなくし、豊かな自然を残してもらいたい」と投票基準を話した。

 新基地建設が計画される名護市民も悩みながら投票した。同市辺野古の男性漁師(40)は新基地建設を推進する政府与党が推す佐喜真さんへ投票した。「海上に新基地ができると思ったら止まり、止まったと思ったら進む状況が二十年続いている。俺たちはどうすればいいのか。埋め立てももう始まっている。今回で決着をつけたい」

 同市では今年二月、自民党などの支援を受けた新市長が誕生し、それを踏まえた交付金で九月から給食費や保育料が無料になった。市内で四人の子育てをする四十代の会社員男性は「目先のお金と、百年も二百年も残る基地のどちらを選ぶべきか考えた」と話した。

 

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