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【社会】

オスプレイ「知らぬ間に頭上飛行」 横田正式配備に住民不安

東京・米軍横田基地で離着陸訓練するオスプレイ2機=1日午後6時7分

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 米軍横田基地(東京都福生市など)に一日、米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが正式配備となった。CV22はすでに六月から常駐し、離着陸や首都圏上空での飛行が日常化した。情報不足と安全性、そして特殊作戦部隊の拠点化を住民らは懸念する。

 「離着陸や旋回を繰り返し、ホバリング中は騒音がひどい。今日からもっと激しくなるのでは」。地元の「横田基地の撤去を求める西多摩の会」の高橋美枝子さん(76)は訴えた。

 会の調査では、横田基地での離着陸は八、九月で計四百十四回に及ぶ。しかも夕方〜午後九時台が92%を占める。日米地位協定などで原則、米軍が飛行や訓練を日本側へ事前に通告する義務はない。防衛省は情報が得られず、職員が基地や演習場近くで目視確認を続けているのが実情だ。

 CV22は特殊部隊を運び敵地に潜入させるのが主な任務。有事になれば、北朝鮮指導部を標的とする「斬首作戦」や核施設の制圧に使われる可能性もある。隠密行動が基本で、夜間や低空の訓練は欠かせない。

 住宅が密集する基地周辺での訓練に、米軍は「人員降下、物料投下、編隊、夜間飛行」などを挙げる。オスプレイはプロペラの向きを変え垂直離着陸も水平高速飛行もできるが、内外で事故が続く。地元五市一町は「住民の不安は解消されていない」と認める。

 横田に初飛来した四月以来、基地北部の埼玉県上空での飛行も目立つ。市民団体の埼玉県平和委員会によると、全六十三市町村のうち四割強の二十六市町で目撃情報があるという。

 同委の二橋元長(ふたつばしもとなが)さん(67)は「住民が知らないまま頭の上を飛んで危険な訓練をし、他国侵攻にも使われかねない。特殊作戦の拠点とされ、攻撃の的になる恐れも生じる」と危ぶむ。

 CV22の訓練先は群馬、長野、新潟県にまたがる自衛隊の訓練空域や東富士演習場(静岡県)、三沢対地射爆撃場(青森県)など。今後も行き来で通過したり、直行せず埼玉上空で回ったりするとみられる。

 東富士演習場はCV22が七月に初飛来。すでに訓練に使われている。住民団体の渡辺希一さん(66)は「事前に示される訓練計画が体(てい)をなしてない」と憤る。

 訓練計画は演習場を管理する陸自が米軍と調整し、一週間分を前週までに地元市町へ知らせる。ところが七月以降、十三週続けて「月〜金曜の午前七時〜午後十時に全域で離発着訓練を実施する」という内容。渡辺さんは「これではいつ来るか分からない。防衛省が『いつでもどうぞ』と米軍に忖度(そんたく)しているのかと疑いたくなる」と嘆いた。 (辻渕智之)

 

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