東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

麻生氏留任「体質変わらぬ」 「安倍一強」人事に市民ら怒りの声

第4次安倍改造内閣が発足し、首相(前列左)らと集合写真の撮影に臨む麻生財務相(同右)=2日、首相官邸で

写真

 2日発足した安倍改造内閣には入閣待機組12人が起用されたが、公文書改ざんやセクハラ問題など不祥事にまみれた財務省では、麻生太郎氏がまたしても副総理兼財務相にとどまった。自民党役員人事では、安倍晋三首相の側近で「政治とカネ」の問題が取りざたされた甘利明氏と下村博文氏が表舞台に返り咲き、それぞれ党四役の選挙対策委員長、党憲法改正推進本部長に就いた。安倍首相のお友だちなら何をしても許されるのか。市民や識者からは「国民はなめられている」と怒りの声が上がった。 (渥美龍太、原尚子、山本哲正、辻渕智之)

 「ふさわしいか、ふさわしくないかは自分で決めるんではなくて、国民のご意見で決められる」。組閣前の二日昼ごろ、記者会見に臨んだ麻生氏。予算編成など今後の課題を饒舌(じょうぜつ)に語っていたのが一転、大臣としての適性を問われると、こわばった表情を見せた。

 森友学園への国有地売却を巡る公文書改ざんでは、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が辞任し、職員二十人が処分、自殺者も出た。セクハラ問題で最高幹部の福田淳一前次官も辞任したが、自らの進退は「考えていない」と居直っていた。この日の会見では「公文書改ざんの話が一番いろんな意味で大きな時間を費やした。反省を含めて一番特筆すべき話」と簡単に触れた。

 閣僚名簿発表後、東京・霞が関の財務省前を歩いていた東京都小平市の無職綱川鋼(はがね)さん(68)は「セクハラ問題は男性から見ても恥ずかしく、麻生さんの留任はとんでもないが、安倍さんが変わらないと体質は変わらない」と手厳しい。

 JR新橋駅前で夫を待っていた町田市の主婦大月恵さん(36)は「セクハラ問題で責任を取らないなんて、普通の企業だったらあり得ない。そんな会社では働きたくない」とあきれ顔。中央省庁と日常的に取引のあるシステムエンジニアの男性(44)は「改ざん問題のときは社内でも『改ざんをしていたなら、トップが知らないはずない。ウチらだったら、おとがめなしはまずないよね』と話題になった」と明かした。

 仕事帰りにスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」をしていた江東区の女性会社員(57)は「(不祥事があるたびに)毎回こりゃないでしょと思っても辞めない。結局安倍さんが無理やり押し切ってるから、国民が不満を言ったところでどうしようもない」とため息をついた。

◆甘利氏ら復権「疑惑ほおかむり」

 すねに傷を持つ甘利、下村両氏は、国会で野党の批判を受けざるを得ない閣僚ではなく、党幹部として復権した。

 加計学園の問題を追及した著書のあるノンフィクション作家森功さんは「政治とカネの疑惑にほおかむりし、政治不信を招いた張本人たちを登用した党人事だ」と断じる。

 下村氏には加計学園側からの違法献金疑惑がある。今度は改憲論議の取りまとめ役を担うが、森さんは「(政治資金パーティー券の費用を受け取った)当時は文部科学相。約束した説明を果たしていない。それで国家の根幹を決める憲法改正の議論をリードできるのか」と疑問を呈した。

 「代わりばえがしない。本来は責任をとるべき人たちのことを居座らせている」と指摘するのは、ジャーナリストの青木理(おさむ)さんだ。

 千葉県内の建設会社側から計百万円を大臣室などで受領したことを認めて辞任した甘利氏の党要職就任について「百万円をもらった説明責任を果たしていない。刑事責任を問われなければ何でも許されるのか」と批判。その上で「公文書改ざんも不起訴だったが、本来なら麻生氏も安倍首相も責任がないとはならない」と強調した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報