東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

目黒女児死亡 厚労省委検証 香川児相と都 引き継ぎ不十分

写真

 東京都目黒区で三月、両親から虐待されていた船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件を検証していた厚生労働省の専門委員会は三日、結愛ちゃんの転居に伴う、香川県と都の児童相談所間の引き継ぎでは危険性が十分に伝わらなかったとする報告書をまとめた。香川県側は、けがの写真など客観的資料を送付せず、緊急性の評価に使われる「リスクアセスメントシート」を作成していなかったため、認識のずれが生じたとしている。

 事件を受け、政府は七月に児相間の引き継ぎを徹底したり、児相の体制を強化したりすることを盛り込んだ緊急対策を決定している。専門委は、対策の確実な実施に向け、児相職員の資質向上や医師、弁護士などを常勤配備するよう政府に提言した。

 厚労省専門委がまとめた報告書によると、香川県側は二〇一六年八月以降、近隣住民の「泣き声がする」との通告をきっかけに結愛ちゃんの虐待を把握。一八年一月に都に転居するまでの間、二度にわたり一時保護していたにもかかわらず、受傷時期が特定できないなどとして施設入所を申し立てていなかった。

 また、転居を理由に、保護者面談や家庭訪問を実施する「児童福祉司指導」の措置を解除していたが、指導の継続性の点から問題だったとしている。

 引き継ぎに関しても、電話や書類だけでは、両親の特性や行動パターンなど言語化しにくい情報やニュアンスが伝わらず、認識のずれが生じたと指摘。緊急性が高いケースでは、対面で実施し、難しい場合は、テレビ会議など代替手段も活用するべきだとした。

 都の児相も緊急性の高いケースと判断せず、実母との関係を優先し、結愛ちゃんを現認できないうちに事件が起きた。専門委は「安全確認ができない場合は速やかに立ち入り調査などの検討が必要だ」としている。

◆香川「行き届かない部分があった」 

 船戸結愛ちゃん一家が東京都目黒区に転居する前に住んでいた香川県は三日、第三者委員会の検証状況を公表し、一連の県の対応に「行き届かない部分があった」との認識を示した。

 第三者委は、保護者面談や家庭訪問を実施する「児童福祉司指導」の解除について「関係機関との意見調整などを行うことなく児童相談所の会議で決定していた」と指摘。

 一時保護や、転居直前に行った児童福祉司指導の解除時点でのリスクアセスメントは、いずれも五段階の真ん中の「中度」と児相が判断していた。

<目黒の女児虐待死事件> 3月2日に東京都目黒区のアパートから救急搬送された船戸結愛ちゃんが病院で死亡。警視庁は翌日、傷害容疑で父親を逮捕した。6月に保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕する際に母親も逮捕。結愛ちゃんが「もうおねがい ゆるして」との文章を残していたことも明らかにした。政府は7月に関係閣僚会議を開き、児童福祉司を2000人増員することや早期の安全確認を徹底するなどの緊急対策を決めた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報