東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

児童虐待疑い、3万7000人 児相通告 上半期最多

写真

 全国の警察が今年上半期(一〜六月)、虐待の疑いで児童相談所に通告した十八歳未満の子どもの数は三万七千百十三人となり、半期ごとの統計がある二〇一一年以降、最多だったことが四日、警察庁のまとめで分かった。少年課は「事件報道などで社会の関心が高まり、近隣住民などから通報が積極的に寄せられるようになった」と分析する。

 通告児童数は、初めて三万人を超えた前年同期より六千八百五十一人増加。暴言などの「心理的虐待」が二万六千四百十五人と七割を占め、暴力などの「身体的虐待」が六千七百九十二人、ネグレクト(育児放棄)などの「怠慢・拒否」が三千七百九十五人、「性的虐待」が百十一人だった。

 警察が児童相談所の委託を受けて保護した子どもの数は二千百二十七人(三百四十人増)で、初めて二千人を超えた。

 殺人や傷害などの容疑で摘発した児童虐待事件は六百四十一件(百三十件増)で、統計のある〇四年以降、最多となった。被害者は六百四十五人(男児三百三十人、女児三百十五人)。うち零〜十歳の十九人が無理心中などで死亡した。

 被害者と加害者の関係は実父が43・1%で最も多く、実母25・6%、養父・継父19・4%の順だった。

◆通告の45%「子の面前で夫婦間DV」

 虐待の通告児童数の半数近くを占めるのは「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」と呼ばれ、子どもの目の前で親が配偶者に暴言を吐いたり、暴力を振るったりする行為だ。DV被害者の相談に応じる「原宿カウンセリングセンター」(東京)の信田さよ子所長は「夫婦間のDVが、同時に子どもの虐待になっている実態を加害者側に自覚してほしい」と訴える。

 面前DVは二〇〇四年の児童虐待防止法改正で心理的虐待に当たると定義された。警察庁によると、今年上半期は通告児童数全体の45・5%の一万六千八百六十九人に上り、統計を始めた一二年の二千四百三十四人から七倍に増えた。

 センターによると、夫が子どもの前で妻を殴ったり、包丁を手に「殺すぞ」などとどう喝したりするのが典型的。母親を性的暴行しようとしたケースもあったという。

 信田所長は「父親が加害者の場合が多い」とした上で「特に面前DVを受けた男の子の人格形成に大きな影響を与え、DV加害の連鎖を生みかねない」と警鐘を鳴らす。 (奥村圭吾)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報