東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

築地市場、営業終了 「熱い一日」涙と感謝

競りの前に手締めする関係者=6日午前5時16分、東京都中央区の築地市場で(潟沼義樹撮影)

写真

 「ありがとう築地」と涙ぐむ仲卸業者や、「豊洲に移っても行くよ」と話す客。最後の営業日は涙と笑顔が交錯しつつ、慣れ親しんだ光景に別れを告げる人々の姿がみられた。

 午前六時半、アカガイやカキを取り扱う一九四〇年創業の「大芳(だいよし)」では、三代目の宇田川浩社長(57)が注文通りちょうど二キロのカキをはかりに載せ、「匠(たくみ)の技でしょ」と笑顔。「築地の長い歴史の最終日に立ち会えて感謝」と涙ぐんだ。

 豊洲に移らず廃業するエビ専門の「徳永水産」では午前八時、徳永文夫社長(63)が客や仲間に「ありがとうございました」と頭を下げた。「熱い一日だったね。十二月三十一日みたいだ。次のことは今は何も決めたくないね」。豊洲に移転する別の仲卸業者で働くことを決めた次女の亜紗海(あさみ)さん(34)は、客に「あっち(豊洲)でもよろしくね」と元気に声をかけていた。

 青果の卸売場では、「いつもの値段じゃ落とせんぞ」との声が飛び、旬のマツタケに一割ほど高いご祝儀相場が付いた。青果仲卸「くしや」の杉本雅弘社長(58)は「寂しいかって? 江戸っ子は痩せ我慢するんだ」と笑った。

 午前九時半、市場内のすし店に並んだ三十代の男性会社員は「二時間以上並んでいるけど進まない」。午前十時前、「ただいまカツオの落とし物が届きました」と場内放送があり、観光客らから笑いが起きた。

 正午前、「築地市場は本日十二時をもちまして全て終了します」とのアナウンス。客らが門へと向かい、片付けや荷物の運び出しが始まった。 (辻渕智之、山本哲正、梅野光春、井上靖史、宮崎美紀子)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報