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【社会】

春樹さん、被災者思い「物語書く」 NYで催し

6日、米ニューヨークで開かれた芸術イベントで発言する村上春樹さん(左)=ゲッティ・共同

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 【ニューヨーク=共同】作家の村上春樹さん(69)が六日、米ニューヨークで開かれた芸術イベントに出席した。東日本大震災などの大きな災害や事件が自身の作品に与えた影響に触れ「(被災者ら)苦しんでいる人たちに私ができることは、良い物語を書くことだ」と語った。

 イベントは米誌ニューヨーカーが主催し、村上さんは同誌編集者と対談。地下鉄サリン事件後に被害者らを訪ねてインタビューしたノンフィクション「アンダーグラウンド」を発表した経緯や、出身地の兵庫県で同年に起きた阪神大震災の後に震災をテーマに短編集を書いた経緯を紹介した。

 阪神大震災後に当時生活していた海外から帰国し「国のためでなく、人々のために私ができることが何かあるはずだと感じた」と述懐。二〇〇一年の米中枢同時テロや一一年の東日本大震災の後も、被害者や被災者のため自身に何ができるか考え続け、たどり着いた結論は「結局、良い物語を書くことだった」という。

 今月、英訳版が発売される長編「騎士団長殺し」でも終盤、主人公がかつて旅をした東北で大きな地震が起き、海沿いの街が津波にのまれていく様子をテレビで見つめる場面が描かれている。村上さんによると、最初の一、二段落を書いた後、原稿を机の引き出しに入れたままにしていたが、三〜六カ月後に構想が思い浮かび、約一年半かけて完成させたという。

 

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