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【社会】

加計氏会見、疑惑晴れず 記者「何のため会見」

 三十分足らずで打ち切った六月の会見から四カ月。加計孝太郎理事長は「知らぬ」「存ぜぬ」を繰り返した。「加計ありき」をうかがわせる県文書に「目を通していない」とも発言。記者からは「何のための会見か」との声が上がり、学園の疑惑解明に後ろ向きな姿勢が目立った。

 「父の代からの悲願だった」。加計氏は会見冒頭、獣医学部開設への熱い思いを強調した。

 ところが、側近の渡辺良人事務局長が学部開設を巡り、首相秘書官だった柳瀬唯夫氏と面会していたことについては「存じ上げていない」と繰り返した。二〇一五年四月二日の面会を記録した県文書によると、柳瀬氏から国家戦略特区の活用を助言され、悲願の獣医学部開設のターニングポイントになっていたにもかかわらずだ。

 うそだという理事長と首相との面会についても、その日はどこで何をしていたか尋ねられると「覚えていない」。同年二月二十五日の自身の行動を示す証拠を示すことはなかった。最後は追及にいら立ちながら「ですから、記録がないから会っていない」と開き直った。

 獣医学部開設のキーパーソンであり、最も事情を知っているはずの渡辺氏の姿は会見場になかった。理由は「処分中だから」。

 だが、渡辺氏の発言として、加計氏と首相が会食した際に獣医学部の話題が出たとする県文書の記載に話が及ぶと、加計氏はひとごとのように、こう答えた。「本人に聞いてみんと分からんですね」

 渡辺氏が柳瀬氏と面会した理由についても、加計氏は「聞いていない」、同席した学園幹部は「当時の担当者ではないのでお答えしかねる」と述べた。

 首相との面会がうそなら、面会を前提として獣医学部開設に向けた協議を記録していた県文書との整合性が取れない。あいまいな説明に終始する加計氏から驚くような発言も出た。

 記者「県文書に全く目を通していないのか?」

 加計氏「はい」

 記者「県文書を基に、渡辺氏に聞き取りをしていないのか?」

 加計氏「はい」

 質疑応答は一時間近くに及んだが、疑問は解消されない。もう一度会見を開くよう迫る報道陣に、加計氏はぶぜんとした表情で「検討します」と言葉を濁した。

 ◇ 

 学園は、会見の出席を地元の記者クラブ加盟社と系列社に限定。本紙は参加を認められず、ネット中継で会見の様子を取材した。

 (中沢誠)

 

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