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【社会】

優勝14度 輪湖時代 輪島さん死去 「陰で努力」悼む声

 第五十四代横綱で優勝十四回を誇り、大相撲で一時代を築いた輪島大士(ひろし)さん(70)=本名輪島博=が亡くなった。「郷土の誇り」「涙が止まらない」。出身地の石川県七尾市の知人や相撲ファンから、惜しむ声が相次いだ。 (中川紘希、島崎勝弘、神谷円香、中村真暁)

 「死去を聞いて涙がしばらく止まらなかった」。輪島さんの親友の中西広さん(71)=七尾市=は残念そうに話す。中学まで同じ学校で、登下校はいつも一緒。「天才肌と言われたが陰では走り込みを欠かさず、努力を惜しまなかった」。一九七二年の初優勝の時は、故郷の凱旋(がいせん)パレードでオープンカーの運転手を務めた。「良い思いをさせてもらった。感謝し切れない」

 輪島さんの遠縁にあたる幕内の輝(かがやき)関(24)の父、達一幸さん(49)=同市=は「輪島さんには本当にかわいがっていただいた」と感謝する。輝関が通った七尾市の小学校には輪島さんの写真が飾ってあり、大いに影響を受けた。輝関は十両昇進とともに、黄金のまわしを付けた輪島さんを思い起こさせる金色の締め込みをつけて活躍している。

 石川県羽咋市相撲連盟会長の橋本俊一さん(78)は「左のまわしさえ取れば安心という取り口で、石川の誇りだった」と悼んだ。

 大相撲中継を担当した元NHKアナウンサーで、現役時代の輪島の実況をしていた杉山邦博さん(87)は、「大横綱と言われた北の湖の好敵手として一時代を築いた」とたたえる。輪島さんが咽頭がんを患ってからも会っており、「病に負けず、常に明るく筆談をして過ごしていた姿が目に焼き付いている」という。

 東京都墨田区の両国国技館周辺でも、死去の報を聴いた市民が驚きの声を上げた。江東区の杉山昭次さん(69)は亡くなった父から二代続けての相撲好きで、国技館で輪島の対戦も観戦した。「筋肉隆々で、男らしい男。父親はトイレも我慢して対戦を見ていた」。元横綱の傷害事件など暗いニュースが続く近年の相撲界と比べ、「今よりバイタリティーがあった時代。当時を象徴する人が亡くなり、ショックだ」と話した。

 

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