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【社会】

活気一声、新たな歴史 豊洲開場ドキュメント

開場した豊洲市場。水産仲卸売場は初荷札が下がりにぎわった=いずれも11日午前、東京都江東区で

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 築地市場に代わる新しい「日本の台所」が動き始めた。十一日に開場した豊洲市場(東京都江東区)では早朝から、競り人や買い付け人らの活気に満ちあふれた。一方で、交通渋滞などのトラブルも。初日の動きを追った。(福岡範行、梅野光春、山本哲正、渡辺聖子、辻渕智之)

 午前2時54分 水産卸売場棟でターレ火災と一一九番。

 3時30分 豊洲市場正門から一キロ余り離れた晴海大橋の真ん中までトラックが大渋滞。三時間近く入場を待たされた配送トラックの運転手(56)は「荷降ろしの車が詰まって入れない。築地なら二時には仕事できたのに、話にならねえよ」とぼやく。

 5時8分 水産卸売場二階マグロせり室で水産部業界あいさつ。卸会社「大都魚類」の網野裕美(ひろみ)社長は「五日前に名残惜しさを振り切って、この地にやってきた。新天地を何としても栄えさせなければ」。真っ白な長靴姿の小池百合子都知事も登壇し「豊洲新市場に魂が入れられる、そんな瞬間が現在だ」。一本締めの音頭を取った東京魚市場卸協同組合の早山(はやま)豊理事長は「築地の思い出が頭をよぎるが、もうここまで来たら四の五の言わない」。

水産仲卸売場棟周囲で発生した渋滞=本社ヘリ「おおづる」から

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 5時30分 リンリンリン−。マグロ競り開始の合図。市場内では競り人が「はい、五、六、七、七いない、七!」と次々にさばく。市場前では、水産卸売場棟から公道を挟んだ水産仲卸売場棟へ、ターレに乗った男性が道路を横切って移動しようとして警備員に注意される場面も。男性は「間に合わねえんだ。こんな造りだからよ」と怒鳴り返すが、諦めて引き返した。

 6時17分 青果卸売場フレッシュラボ前で青果部業界あいさつ。卸会社「東京シティ青果」の鈴木敏行社長は「今日を迎えたことは感無量」。

 6時20分 市場に向かう路線バスは超満員。五十代男性は「満員電車かと思うくらい。渋滞で三十分もかかったよ」。

 7時15分 水産仲卸業者の男性二人が道路で発泡スチロールの荷物をターレからトラックに積み替えていた。「場内が混雑しちゃって、トラックが駐車場に入れない」

荷物を運ぶターレやトラックが行き交う水産仲卸売場棟の通路(一部画像処理)

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 7時55分 「このサメ? 三メートルはあるな。しゃれで買ったよ。初日だから」。水産仲卸「山治(やまはる)」の山崎康弘社長(49)が白鉢巻きを締め直す。

 8時00分 水産仲卸売場棟の壁にある店の配置図の前で、買い付け人らが店を探したり、スマホで撮ったりしていた。江東区で和食店を経営する上兼竜宣さん(29)は「青果と離れてやりづらい」。

 8時8分 「待って、乗っけて!」。水産仲卸売場で業務用エレベーターの扉が閉まると、買い付けの女性が悲鳴。四階の積み込み場に急いでいた。

 8時15分 物販店は水産仲卸売場棟の四階。長靴等販売「伊藤ウロコ」の伊藤嘉奈子専務は、真っ赤な「豊洲市場」の文字入りTシャツ姿で「今日からこれを着て頑張ります」。昭和初期に築地で開業した包丁店「正本」の平野操社長(73)は「築地と比べたらきれいになりすぎ。店の前の見通しも良くなった」と話した。

◆水産卸売場棟でターレが燃える 女性はねられる事故も

 十一日午前二時五十五分ごろ、開場間もない東京都江東区豊洲の豊洲市場で、小型運搬車「ターレ」一台が燃えていると一一九番があった。東京消防庁によると、現場は七街区にある水産卸売場棟の二階。二十五分後に鎮火し、けが人はいなかった。同庁によると積んでいるバッテリーから発火した可能性がある。警視庁深川署によると、湿気や水気のある場所で発火することは過去に築地でもあったと聞いているとし、事件性はないとみている。

 このほか同四時半ごろ、場内にいた六十代の市場関係者の女性がターレにはねられたと一一九番があった。女性は転倒し、病院に搬送された。けがの程度は不明という。

 

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