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【社会】

ニセ電話詐欺グループ、振込口座をネット募集

ニセ電話詐欺用の口座の募集に使われている掲示板

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 「自宅でできる楽な仕事」「オークションで利用する口座を提供してもらうだけ」。ニセ電話詐欺の犯行グループが、そんな甘い言葉を使い、架空請求や還付金詐欺の被害者に金を振り込ませる口座をインターネット上で募っていることが、本紙の取材で分かった。不特定多数から巧みに犯行ツールをだまし取っている実態が浮かび上がった。 (伊藤隆平)

 「在宅」「高給」などのキーワードでネット上を探すと、「高額即金の仕事」を募集する掲示板が出てくる。本紙記者がメールで接触すると、若い男が電話をかけてきた。掲示板には正規の仕事ではないことをうかがわせる表現も多かったが、男は「実は普通の仕事。楽天とかメルカリで商品を売った時に振り込んでもらう口座が欲しいので、口座を開設して譲ってください」と話し、三万円の報酬を持ち掛けた。

 捜査関係者は、犯行グループがニセ電話詐欺に使うための口座を買い取ろうとしているとみる。組織にとって他人の口座は、組織の存在を見えにくくして、捜査の手から逃れるための重要な犯行ツールだ。

 京都市の男性(45)はこうした手口を使った犯行グループに口座を売り渡したことで、九月に犯罪収益移転防止法違反の疑いで石川県警に逮捕された。男性がネットを通じて連絡を取った者は「オークションに使うだけ」と偽り、運転免許証の写真を撮影してメールで送るよう指示してきた。

 後日、男性の元に新たに開設された銀行口座のキャッシュカードが届き、カードを郵送で譲渡。口座にはニセ電話詐欺の被害者から金が振り込まれた。

 犯行グループは、銀行のネット上の口座開設サイトで男性の個人情報を入力し、免許証の写真を提示することで成り済まし、手続きをしたとみられる。

 男性は求めに応じた理由を「小遣い稼ぎのためだった」と供述。男性が受け取った報酬は一万円程度。今月一日に起訴猶予となったが、軽い考えから犯罪に加担する形となった。

 全国では昨年、ニセ電話詐欺に使う口座の開設に関わる摘発が少なくとも千五百十二件あり、今年も八月末までに八百二十二件に上る。警察庁捜査二課によると、犯行グループが同様の方法で口座を入手しているとの情報はあるが、まだ実態はつかめていないという。

 

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