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【社会】

プロが教える狩猟ビジネス 捕獲やジビエ料理を指導

受講者にキジの解体方法を説明する岡野永佑さん(左端)=9月29日、千葉県君津市で

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 狩猟をなりわいとする若者を育てたい−。イノシシなどの有害鳥獣による農作物被害に悩む千葉県君津市が、連続講座「狩猟ビジネス学校」を開設し、首都圏の男女らが、捕獲や野生鳥獣肉(ジビエ)料理のプロたちから技や知識を学んでいる。市によると、ビジネスとしての狩猟に特化した講座は珍しいという。

 「このキジの胸肉で二人前のカルパッチョができます」。九月、市内の公民館であった六回目の講習で、講師の飲食店経営岡野永佑さん(39)=東京都文京区=は、受講生の男女二十六人の前でキジの解体を実演し、調理法を説明した。

 この日は羽根を使った文房具作りも体験。自然との共存に関心があるという横浜市中区の会社員西場純一さん(44)は「生き物が食べ物になる瞬間を見て、忘れられない経験になった。農業や飲食業などの観点からも狩猟を学べて魅力的」と話した。

 君津市によると、二〇一七年度、有害鳥獣による市内の農作物被害は県内最多の四千六百万円に上り、イノシシやシカなど四千頭以上を捕獲した。市内三カ所に獣肉処理加工施設があるが、処理が追いつかず大半は廃棄処分になった。狩猟免許を持つ人たちの高齢化も進む。

 市は狩猟やジビエを商業化し、新たな名物にしようと、ハンター養成などをしている団体「猟師工房」(埼玉県飯能市)と連携し、今年四月に講座をスタート。来年三月までの計十二回で、捕獲のためのわな作りや山中での設置方法、ジビエ料理店の経営実務までを各分野の専門家らが講義する。

 受講者は埼玉、東京、神奈川など県外からの参加が約三割。年代は二十〜七十代と幅広い。君津市農政課の岡本忠大(ただひろ)係長は「市内で狩猟を始める人や、市のジビエに関心を持つ人が増えたらうれしい。来年度も続けたい」と手応えを感じている。

 

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