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【社会】

積水ハウス63億円被害事件 地面師の女ら逮捕 不正登記未遂容疑

積水ハウスとの土地売買をめぐる「地面師」詐欺事件の舞台になったとされる旅館跡地(中央)=東京都品川区で、本社ヘリ「おおづる」から

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 大手住宅メーカー積水ハウス(大阪市)が、地主に成り済ました「地面師」に土地購入代金六十三億円をだまし取られた事件で、警視庁捜査二課は十六日、偽造書類で不正に登記しようとしたとして、偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の疑いで、職業不詳、羽毛田正美容疑者(63)=東京都足立区=ら男女数人を逮捕した。

 二課は、事件に関与したとみられる男女約十人の逮捕状を取得しており、残りのメンバーも順次、逮捕する方針。羽毛田容疑者はニセ地主役で、事件を主導したとみられるカミンスカス操容疑者(58)は先週、フィリピンへ出国したという。二課は詐欺容疑についても調べる方針。

 捜査関係者によると、羽毛田容疑者らは昨年六月、JR五反田駅に近い品川区西五反田二の廃業した旅館の敷地二千平方メートルについて、地主に無断で所有権移転登記しようとし、偽造した地主の委任状などを東京法務局品川出張所に提出した疑いが持たれている。

 分譲マンション建設を検討していた積水は昨年四月、不動産会社の仲介で土地購入契約を結び、手付金十四億円を支払った。六月に残りの代金四十九億円を支払い、所有権移転登記を申請。しかし、法務局が本人確認書類の偽造に気付き、移転登記を却下した。

 積水は八月に「取引事故」があったと公表。翌月、購入代金のうち、相手側から預かる形になっていた約七億五千万円を除いた約五十五億円を特別損失として計上し、警視庁に詐欺容疑で告訴していた。

 弁護士らによる同社調査対策委員会の報告書などによると、積水は昨年五月、地主の名前で「売買契約はしていない」などと警告する内容証明郵便が四通届くなど詐欺の疑いを示す複数の情報を把握していた。

 報告書は阿部俊則会長(当時社長)や和田勇氏(同会長)らの責任を指摘。和田氏は今年一月、会長辞任に追い込まれた。四月の株主総会では被害の詳しい経緯の説明を求める声が相次ぐなど混乱が続いた。

<地面師> 所有者や相続人に成り済まして無断で土地を売買し、代金をだまし取る人物や集団。標的となる土地の選別、所有者の偽装、書類の偽造といった役割を分担し、巧みな話術などで相手を信用させる。架空の身分を示す際のパスポートや登記関連の書類などは精巧に作られており、公証役場でも見破れないケースがある。

 

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