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【社会】

地主役、内覧立ち会わず 「地面師」事件 発覚避ける目的か

 大手住宅メーカー積水ハウスが「地面師」詐欺被害に遭った事件で、積水の営業担当者らが昨年五月、東京・西五反田の元旅館の敷地を内覧した際、地主に成り済ました羽毛田(はけた)正美容疑者(63)は「体調不良」を理由に立ち会わなかったことが、捜査関係者などへの取材で分かった。

 警視庁捜査二課は、地面師グループが、近くの住民らに羽毛田容疑者を見られ、ニセ地主と発覚するのを避けようとした可能性があるとみている。

 積水の調査対策委員会の報告書などによると、昨年五月十九日、積水の営業担当者や解体業者らが元旅館の敷地内を一時間ほど視察。この際、羽毛田容疑者から鍵を託されたという弁護士が裏口の南京錠を開けて中に入った。

 内覧には土地取引を仲介した生田剛(いくたつよし)容疑者(46)、交渉を主導したとみられるカミンスカス(旧姓・小山)操(みさお)容疑者(58)=フィリピンに出国、偽造有印私文書行使などの容疑で逮捕状=らが立ち会った。

 この内覧までに、積水は地主名で「売買契約はしていない」との内容証明郵便を受け取っており、顧問弁護士が「本物の地主かどうか知人に確認してもらうように」などと助言していた。

 しかし、営業担当者らは「地主の機嫌を損ねる」と考え、近隣住民らへの聞き込みをせず、昨年六月までに計六十三億円を支払った。

 この土地の取引を仲介したことのある別の業者によると、地面師グループは積水以外の複数の業者に売却を持ち掛けていた。うち一社は現地で近隣住民に羽毛田容疑者の写真を見せると「地主ではない」と言われ、手を引いていた。

 この仲介業者によると、羽毛田容疑者は昨年三月、都内の法律事務所で別の業者との交渉に立ち会った際、契約条件などについて何も話さなかった。後見人役のカミンスカス容疑者とみられる男から交渉の合間に「いいですよね?」と問われ、「はい」と答えるだけだったといい、ニセ地主だと発覚しないよう発言を控えていた可能性がある。

 

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