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【社会】

豊洲、使い勝手どう? 銀座のシェフ「買い付け時間が倍に」

水産仲卸売場棟の搬出入口で作業する人たち=いずれも18日、東京都江東区の豊洲市場で

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 日本の新たな台所を目指す豊洲市場(東京都江東区)は十八日、開場から一週間を迎えた。初日は交通渋滞などが問題になったものの、その後は目立った混乱もなく、取引はスムーズな様子。一方、アクセスの悪さや最新鋭の設備をどう使いこなすかなど課題も多く残る。 (石原真樹、神野光伸)

 十八日午前七時ごろ、水産仲卸売場棟では、店先に並んだマグロやカキなどの魚介類を、買い付け人らが丹念に見ていた。ターレ(小型運搬車)が通路をすいすいと動き回る。

 「初日は初めて豊洲に来た人も多く、(みんなが)パニックになった。でも慣れるのは早いよ」と、マグロ仲卸「樋長(ひちょう)」の飯田真広さん(42)。エビ仲卸「大峰(だいみね)」の前川哲史さん(37)は、築地にいた時より遠くなったため、配達してほしいとの客が増えたという。「ガソリン代などがかかり、コストが増える分、売り上げを増やさなくちゃ」と気を引き締めていた。

 豊洲への不満を口にする関係者も少なくない。場内から新橋行きのバスを待っていた銀座のフランス料理店シェフ、斎木辰也さん(54)は「青果棟と水産仲卸売場棟が離れていて、回るのが大変」とぼやいた。築地へは自転車で通えたが、豊洲へはバスを使うことになり、買い付けにかかる時間は二倍になったという。ほかに、駐車場の少なさを訴える人もいた。

開場から1週間を迎えた市場内を走る小型運搬車「ターレ」

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 水産卸売場棟の駐車場で、魚が入った箱をターレで運んでいた卸売業の男性は「水産仲卸売場棟まで行き来するのが面倒」と漏らした。いずれも五階建ての卸売場棟と仲卸売場棟は一階でしかつながっておらず、水産物を仲卸棟の四階まで運ぶのに手間がかかるという。築地は一階しかなく、配送が便利だったとぼやいた。

 豊洲市場は大型倉庫のような建物が並ぶ閉鎖型の施設で、産地から小売店まで魚や野菜を低温で鮮度管理できるのが特徴だ。トラックの荷台と建物を直接つなぎ、外気に触れないよう食品を運び入れることもできる。だが、十八日は屋根のない駐車場に、魚が入った箱を置き、トラックに積み込む様子も目立った。慣れないためとみられるが、せっかくの設備が十分に生かされてはいないようだ。

 十七日夜に閉鎖された築地市場では十八日、移転に反対する仲卸業者と支援者らが都の制止を振り切って場内に入り、二店がサケの西京漬けを販売した。都は十九日以降、警備体制の強化を検討している。

 

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