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【社会】

東電公判 津波対策「即応不要と判断」 武黒元副社長、武藤氏と同じ見解

 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人の公判が十九日、東京地裁(永渕健一裁判長)であった。武黒(たけくろ)一郎元副社長(72)は被告人質問で、最大一五・七メートルの津波試算を把握した際の対応を問われ、「すぐに何かしないといけないとは思わなかった」と述べ、ただちに対策を取る必要性を認めなかったと述べた。

 被告人質問は、武藤栄(さかえ)元副社長(68)に続き二人目。武黒元副社長は二〇〇八年三月に国の地震予測「長期評価」に基づく津波試算が判明した際、原子力・立地本部長を務め、原発の安全対策を担う責任者だった。

 副本部長だった武藤元副社長が先に試算を把握したが、まずは外部機関に試算手法の研究を委託するよう部下に指示。〇八年八月、武黒元副社長に方針を報告したと被告人質問で答えていた。

 武黒元副社長は試算結果を把握した時期について、武藤元副社長とは別の部下から「〇九年四月か五月に報告を受けた」と証言。「部下からは『あてにならない』と聞いた。専門家に聞いてはっきりさせないと前に進めないので、まずは外部機関への調査委託でいいと思った」と述べ、武藤元副社長と同様の判断をしたことを明らかにした。「長期評価は根拠がないと思ったので、そのままの高さで津波が襲来するのは考えにくかった」とも述べた。

 調査期間の見通しについては、「部下からは年単位でかかると聞いた。『ちょっと長いな』と思ったが、別に『遅すぎる』とは思わなかった」と強調。一方で部下に調査の進捗(しんちょく)を問うことも特にしなかったという。

 武黒元副社長への被告人質問は三十日も続行し、その後、勝俣恒久元会長(78)への被告人質問が始まる。 (蜘手美鶴)

 

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