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【社会】

羽田空港ビル配管、7年半耐震性不足 国際線、6月に補修

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 羽田空港国際線ターミナルビル(東京都大田区、五階建て)の天井裏を通る空調用の配管に十分な地震対策がされていなかったことが本紙の取材で分かった。大地震の揺れで配管が破損すると、大量の水がビル内に流れ出す恐れがあり、空港の運営会社が問題を知った今年六月に補修した。二〇一〇年十月の開業から七年半余り、耐震性が不十分なままビルが使われていたことになる。 (石井紀代美)

 国際線ターミナルビルでは、配管の中を循環する水で冷風や温風を作り、各階フロアの空調をしている。配管は各階の天井裏を通っている。本紙が入手した資料によると、その総延長は二階部分だけで計十二キロに及ぶ。棒状の鋼材でつり下げるように設置している。

 このままでは地震による横揺れで破損する恐れがあるため、国土交通省が監修する「建築設備耐震設計・施工指針」では、一定の間隔ごとに振れ止めの金具で固定するよう求めている。

 空港を運営する「東京国際空港ターミナル(TIAT)」などによると、ビルの一階から五階の全体で計二百九十三カ所の振れ止めが必要だった。しかし、実際には八割に満たない二百三十二カ所しかきちんと設置されていなかった。

 中でも、旅客の到着階となっている二階は少なく、五十二必要だったのに、正しく設置されていたのは約六割の三十二だけだった。この階の配管下には各航空会社の事務所、機械室などがある。破損した配管から大量の水が噴き出れば、多数の電子機器などが故障した可能性があった。

 運営会社は今年六月初めに問題を把握。ビル建設を請け負った鹿島と、配管工事を担当した高砂熱学工業が同四日から補強工事をし、約二週間で対策を終えたという。

 鹿島の藤野敦・広報室報道グループ長は「高砂熱学工業による施工に対し、元請けとしての確認が不十分だった」とコメント。高砂の鷲尾真規広報室長は「実際の現場では、計画通りに設置できなかった箇所も一部あると思う。ただ、なぜ不十分になってしまったのか詳しくは分からない」と釈明した。報告を受けた国土交通省東京航空局管理課・杉山力専門官は「現在、ビルは指針を満たしている」と話す。

 高砂は一二年に東京国税局の税務調査を受け、この工事で外注費を過大に計上するなどして〇九、一〇年度に計二千万円余りの簿外資金をつくっていたと指摘された。この調査では、少なくとも十カ所以上の工事で同様の指摘をされている。

 

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