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【社会】

「なぜ水増し 追及を」 障害者団体 怒り、失望、あきれ

記者会見で話す検証委の松井委員長=22日、東京・霞が関の厚労省で

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 「あきれてものが言えない」。中央省庁で脈々と続いてきた障害者雇用数の水増し手口が明らかになった二十二日、障害者団体や支援団体などから怒りや失望が噴出した。検証結果について「根本原因に迫れていない」という意見も。一方、厚生労働省で同日午前、記者会見した松井巌委員長は「(水増しが)意図的に当たるケースは認められなかった。根本問題は厚生労働省の雇用実態に関する関心が低かったことにある」と強調した。 (井上靖史、辻渕智之、原田遼)

 「言語道断。あきれるという感情も通り越す」。東京都国立市の就労移行支援施設「ピアス」で精神障害者らのジョブトレーニングに取り組んでいる高橋しのぶ施設長(49)は障害者雇用率を満たすために、既にいない元職員らを計上していたと聞き、憤った。

 最近、施設から巣立った人たちが集う会合を開いたが、周囲にいる人も含めて国の機関で働いた経験を聞いたことがないと話していたという。「やっぱり採っていなかったんだと。本人に知らせずに勝手に障害者扱いしていたなんて、人権問題」と指摘した。

 「こういうことをしていたのだろうとは大体想像できた」。自らも視覚障害のある日本障害者協議会の代表藤井克徳さん(69)は冷ややかな視線を向けた。

 藤井さんは、なぜ水増しが起きたかという根本的な原因が大切、と指摘した上で「精鋭部隊という意識の国は、障害者を採ると職場のバランスを崩れると心配してここまで採らなかったのだろう。省内から探そうとして、いなければ創り出すという構図だ」と強調。検証には詳しい動機は触れられておらず「これで抜本的な対策につながるのか」と話した。

 一方、同日記者会見した松井委員長は「民間ですら障害者雇用率の達成が50%程度にあるにもかかわらず、段階的に引き上げられている雇用率が(各省庁で)達成されていることに疑問をもてば早期に是正できたと考える。とくに障害者の範囲や確認方法の不手際があった」と指摘した。

 

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