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【社会】

「意図的」認めず 省庁水増し検証委 「障害者」算入当事者に聞き取りなく

記者会見する検証委の松井委員長=22日、厚労省で(木口慎子撮影)

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 中央省庁による障害者雇用の水増し問題を検証していた弁護士ら第三者による検証委員会は二十二日、調査報告書を発表した。水増しされた人の中には、既に退職した人や死者、裸眼視力〇・一の近視の人なども含まれていたが、検証委は「過失はあるが、故意性はない」と結論づけ、意図的ではなかったとした。だが、水増しの開始時期は判明せず、障害者とされた当事者への聞き取り調査もなく、実態を明らかにしたとは言い難い。 (井上靖史)

 検証委のメンバーは、元福岡高検検事長で弁護士の松井巌(がん)委員長ら五人の有識者。報告書では、各省庁が「法定雇用率を充足するため、恣意(しい)的な障害者区分に当てはめるなどしてきた」と総括した。松井氏は同日午前の会見で、「恣意的」の意味を「過失はあるが、違法性の認識はない」と説明。「意図的」とは違うとした。

 水増しされていたのは二十八機関の三千七百人。このうち九十一人は、在職歴はあるが既に退職し、うち少なくとも三人は死亡していた。採用内定者など在籍したことがない人も二人いた。七割に当たる二千六百人弱は、健常者や、実際の健康状態が確認できない人などで、障害者手帳の所持を確認できなかった。水増しが最も多かったのは国税庁の千百三人、次いで国土交通省六百二十九人、法務省五百十二人と続いた。

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 検証委が聞き取り調査したのは、各省庁の人事担当者のみ。障害を確かめる資料は保存されておらず、確認方法は障害の種類などを記入した名簿千四百七十九件や、人事記録八百八十件などだった。水増しされた職員への聞き取り調査についても、「プライバシーに配慮して本人には直接は当たらない」という方針を示し、行われなかった。

 水増しが始まった時期も解明できず、「一九九七年ごろからやっていたと答えたところもあるが、いずれにしても長期間継続されてきた」とした。

 今回調べた三千七百人は水増しの実人数。八月末の発表では重度障害者を二人分、短時間勤務者を〇・五人分などと計算、三千四百六十人分とされていた。

 

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