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【社会】

「早く無事な姿を」 安田さん解放情報 両親、仲間ら願う

安田純平さんの解放情報から一夜明け、取材に応じる父英昭さんと母幸子さん=24日午前、埼玉県入間市で

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 内戦下のシリアで二〇一五年六月に行方不明になったジャーナリスト安田純平さん(44)の解放情報が流れてから一夜明けた二十四日午前、三年四カ月にわたり待ち続けた家族は一刻も早い確定情報を待ち望み、知人たちも安田さんが無事に帰国することを願った。  (松尾博史、望月衣塑子)

 安田さんの解放情報が流れてから一夜明けた二十四日朝、埼玉県入間市に住む安田さんの母親、幸子さんは「今は確認を待っている状態。(解放が)確定するのを待っています」と静かに話した。

 解放情報が流れた二十三日深夜以降、報道各社の取材や、安否を心配してきた知人らからの電話が相次いだ。二十四日未明まで取材に対応して寝不足になったが、「息子も同じ仕事をしているので」と応じるようにしたという。

 安田さんが行方不明となった三年四カ月の間、「毎日毎日、息子のことを考えてきた」という。「まだ何も言えない」と慎重に言葉を選びながらも「息子は頑張ってくれた。(自分の)気持ちとしては、少し前進したのかな」と吉報を待つ心境を語った。

 安田さんと交流のあるジャーナリスト志葉玲さんは「安田さんが拘束されていた場所は、反政府組織が集中し、政府軍による大規模攻撃の可能性も指摘されていた。安田さん自身も、自分が置かれている状況に絶望しているという話もあり、不安が尽きなかった。解放であればまずは良かった」と安堵(あんど)の声を上げた。

 「安田さんは精神的に非常にタフとは思うものの、拘束はあまりに長かった。身体的にも精神的にも立ち直るには時間がかかると思う。今後は、帰国してからのインターネットを含めたバッシングが心配だ。まずは本人が、本来の元気をしっかり取り戻せるよう、周囲の人には温かく見守ってほしい」と話す。

 「安田さんはどんな状況でも取材者としての気概を持ってやっていたと信じている」と話すのは、イラク支援ボランティアの高遠菜穂子(たかとおなほこ)さん。「落ち着いてから、たくさん話を聞かせてほしいが、人質という過酷な状況下で、心身に強いダメージを受けてきたことは間違いない。まず無事に帰国してもらい、会見は最小限にして、ゆっくりと身体と心を休めてほしい」と願った。

 文化や芸術を通じイラクとの交流進めるNPO法人「PEACE ON」代表で、二〇〇三年のイラク戦争前から現地などで安田さんと交流がある相沢恭行さんは「シリア国内はまだ混迷しており、アサド政権の弾圧は続いている。シリアで何が起きているのか。ジャーナリストとして、彼にしか話せない話が、たくさんあるはずだ。戦争の悲惨さやシリア国内の現状を、できるだけ多くの人々に伝え、社会に問い掛けていってほしい」と期待を込めた。

 

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