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【社会】

障害者演じる「命とは」 大阪の劇団 相模原事件から2年で公演

障害者の役者らが表現する「ニライカナイ−命の分水嶺」の舞台(bozzo撮影)

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 世の中には役に立つ命と、不要な命がある−。そんな優生思想が引き起こした相模原市の障害者殺傷事件から2年余り。被害者の無念を胸に刻み、経済優先ではない新たな価値観を見いだそうと、障害者自身が身体表現する舞台が11月2〜4日、東京・高円寺で上演される。 (出田阿生)

 タイトルは「ニライカナイ−命の分水嶺(れい)」。演じるのは大阪が拠点の劇団「態変(たいへん)」だ。著名人にもファンが多く、国内外で高い評価を受ける。役者は脳性まひや手足の変形などがあり、舞台をはったり、転がったりする。その独特の表現に、観客は「健常者の美しさ」の概念を崩され、生命とは何かを考えさせられる。

 三十六年前に劇団を旗揚げした金満里(きむまんり)さん(65)は三歳でポリオ(小児まひ)になり、首から下がほとんど動かない。七歳から十年間施設で生活し、職員に放置され、重症化して亡くなる子らを見て絶望した。今回はそんな同室の女の子をモチーフにした表現もある。

 金さんは「相模原事件の被害者はまず山奥の施設に隔離されて社会から消された。殺された後は名前と顔が非公表のままで忘れ去られようとしている。でも、本当は被害者と私たちはつながっている」と語る。タイトルの「ニライカナイ」は沖縄で、海のかなたにあると信じられている理想郷。「お金が全ての価値観は、誰にとってもつらい。今や経済至上主義の行き詰まりは明らか。もっとおおらかな視座を、私たちの体で表現したい」と話している。

 「座・高円寺1」で、二・三日は午後二時と午後七時から、四日は午後二時から。一般四千円、学生・七十歳以上は三千円。障害者三千六百円(劇場受付のみ)。問い合わせは劇団(電)06(6320)0344。

 

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