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【社会】

「くるしい…」絶望の日記 自殺未遂3回、川口の中3男子

 文部科学省が二十五日に発表した全国の学校での二〇一七年度のいじめ認知件数が、過去最多を更新した。各地で続く、理不尽ないじめ。埼玉県川口市の市立中学校でいじめを受け、自殺未遂を三度繰り返した三年男子生徒(15)は、一年生からつづった日記を本紙に示した。いじめに向き合わない学校や市教育委員会への不満と絶望があふれている。車いす生活となった生徒は「学校は、僕のような子どもを増やさないで」と願っている。 (柏崎智子)

 「ぼくは、サッカー部の友だちからいじめられている」(一六年九月一日)

 男子生徒や母親によると、いじめは入学直後から始まった。悪口や仲間外れ、かばんが踏み付けられ、筆記用具を折られた。いじめる生徒や保護者と話したいと担任教師らに頼んだが実施されなかった。二学期に入り、生徒は日記のコピーを担任に渡した。口下手な生徒が出した精いっぱいのSOSだが、学校が解決に動く気配はなかった。五回目に渡した日記には、自宅へ電話してきた教頭に転校を勧められたと書き「ぼくはやっぱり中学校にいたら迷惑な生徒なんだな(中略)この世にもいてはいけない」とつづった。

 九月十八日に「母さんごめんなさい」と書いた翌日、自室で首をつった。命は助かったが、不登校に。十月二十六日には「先生たちは何もしてくれない。口だけ。電話もない」と書き、再び自殺を図った。翌月、学校から「いじめアンケートをしたが、いじめはなかった」と電話があった。

 母親は睡眠時間も削って見守ったが、生徒は二年生初日の一七年四月十日、発作的に近所のマンションから飛び降りた。頭や太ももなどを骨折する大けがをし、病院へ来た校長がやっと「いじめとして対応する」と母親に告げた。しかし、話し合いの場はなかなか実現しない。一八年三月、先輩の卒業が間近になり、男子生徒の焦りは募る。

 「くるしいくるしいくるしいくるしい」「いじめられていた時から時間が止まってる」「先輩たちは卒業した これでいじめられたことは隠してごまかしてなかったことにされるんだ」

 六月に学校がようやく話し合いの場をつくったが、出席者は当事者の一部だけ。ある保護者からは「自殺未遂を人のせいにするな」と暴言も受けた。

 いじめを認めてもらい、相手と話し合い、学校へ安心して通える環境を取り戻すという生徒の望みはかなっていない。母親は「早く対応してくれれば、こんなに傷つかずに解決できたはず」と憤る。市教委は「第三者委員会を設置して検証している」とするが、母親は「委員会がどんなメンバーかなど、一切説明がない」と話している。

 

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