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【社会】

<ニュース読者発>運転免許の代わりに「経歴証明」使える? 本人確認、口座開設時などOK

運転経歴証明書の見本=警察庁のホームページより

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 免許証を返納した人に交付される運転経歴証明書。「スマートフォンを購入する際、本人確認書類として使えなかった」。そんな読者投稿が9月19日付の本紙発言欄に載り、それを見た読者から「店員の対応が間違っているのではないか」との意見が複数寄せられた。運転経歴証明書は、運転免許証代わりに使えないの? (小形佳奈)

 「運転経歴証明書だけでは本人確認ができません」。東京都大田区の団体役員冨田光一さん(77)は九月、スマートフォン購入のため訪れた都内の家電量販店で店員からこう言われ、がくぜんとした。

 昨年二月、運転免許証を返納し、運転経歴証明書を取得した。それまで、交通機関が無料になる都のシルバーパスの交付や、ゴルフ場での本人確認の際には問題なく使えたという。仕方なく、パスポートを取りに自宅へ。「都公安委員会が発行し、写真入りでデザインもほぼ同じ。免許証代わりだと思いますよ」

スマートフォンを契約できなかった経緯を話す冨田光一さん(一部画像処理)=東京都大田区で(七森祐也撮影)

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 冨田さんがスマホを購入した「インターネットイニシアティブ(IIJ)」広報部は取材に「運転経歴証明書には有効期限がなく、住所変更があっても適切に更新されているか確認できない。このため、住民票などの補助書類を併せて提示していただいている」と説明。同様の対応をする携帯電話事業者は他にもあることが分かった。

 警察庁によると、運転経歴証明書は二〇一二年から、銀行口座開設などで本人確認書類として使えるようになった。しかし、携帯電話不正利用防止法施行規則では、本人確認書類は「住所や生年月日の記載、写真がある」「官公庁から発行された書類その他」などと規定されているものの、運転経歴証明書とは明記されていない。所管する総務省の担当者は「事業者で運用が異なるため、本人確認にどの書類が必要か事前に確認を」と話す。

 本紙に投稿した冨田さんの体験談を読み、「店員の誤りでは」との指摘を寄せた荒川区の佐藤祐一郎さん(43)は「本人確認に使えないこともあるなんて…」。佐藤さんは、脳梗塞を患った父(74)が免許証を返納したのをきっかけに、経営する眼鏡店で証明書提示者への割引サービスを始めた。「返納を促すのが難しい中で『得るものもある』とPRしたかった」と振り返る。

 運転経歴証明書によるこうした割引などは広がっており、警視庁がホームページに掲載している「高齢者運転免許自主返納サポート協議会」の資料では、特典を受けられる企業・団体として二百四十余りを紹介している。

 「こうしたサービスは、同世代の友達の間でも知られていない」と冨田さん。「もっと認知度を広めないと、免許証の返納が進まないのでは…」と話した。

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◆免許返納した人に交付

<運転経歴証明書> 高齢ドライバーによる事故増加などを背景に、全国の都道府県公安委員会が運転免許証を返納した人に対し、2002年6月から交付を始めた。12年4月から犯罪収益移転防止法などの改正により、銀行の口座開設、クレジットカードの交付、宅地や建物の売買契約などの際に本人確認書類として無期限で使えるようになった。再交付も可能になった。昨年の交付枚数は全国で36万6000枚余り。

 

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