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【社会】

両陛下、最後の「三大行幸啓」 地方との交流支える

絵画、習字作品コンクールの優秀作品を鑑賞される天皇、皇后両陛下=27日午後、高知市で(代表撮影)

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 天皇、皇后両陛下は二十八日、最後の「三大行幸啓(ぎょうこうけい)」となる、高知県での全国豊かな海づくり大会に出席される。二〇一六年八月の退位の意向をにじませたビデオメッセージで「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました」と語った陛下。三大行幸啓は、その地方訪問の根幹をなしてきた。 (荘加卓嗣)

 海づくり大会は、水産資源の保護や漁業振興などを目的に一九八一年にスタート。両陛下は皇太子夫妻だった当初から八八年を除き出席し、即位後も出席を継続してきた。両陛下がそろって出席する恒例行事であることから、昭和天皇から引き継いだ国民体育大会、全国植樹祭とともに「三大行幸啓」と称された。

 国体は終戦翌年の四六年に始まり、四七年の石川国体に昭和天皇が出席し、四九年の東京国体から香淳(こうじゅん)皇后も一緒に出席するようになった。植樹祭は五〇年に始まり、昭和天皇、香淳皇后がそろって出席した。だが昭和の終盤には、香淳皇后の体調不良などにより、国体、植樹祭とも昭和天皇が一人で出席することが多かった。

 今年の植樹祭は六月、国体は九月に既に終えている。宮内庁幹部は「宮内庁として『三大』という特別の位置づけはしていない。両陛下は、どのお務めも一つ一つ大切にしている」と語るが、両陛下は毎年、都道府県が持ち回り開催する三行事に、決まって二人で出席し続けてきた。九三年の徳島・香川国体は皇后さまの体調が悪く天皇陛下単独の出席だったが、一人での出席はこの一回しかない。

 両陛下は、三大行幸啓の機会に近隣県などに足を延ばすことも多く、地方の視察と住民との交流を重ねてきた。昨年十一月の鹿児島県訪問で、全国都道府県訪問の二巡目を達成したが、これに三大行幸啓が果たした役割は大きい。

 天皇制に詳しい瀬畑源(はじめ)・長野県短大准教授(日本現代史)は「自由に地方に行けない両陛下にとり『三大行幸啓』を契機に地方を訪ね、国民と触れ合い、支持を獲得し、天皇制の安定につなげてきた面がある」と指摘する。来年四月の退位後は、新天皇、皇后となる皇太子ご夫妻に引き継がれるとみられる。瀬畑准教授は「雅子さまのご体調なども考慮すると、両陛下と同じ頻度で行幸啓をこなすのは難しい面もある。皇族も減少していく中で、公務の在り方についてオープンな議論が必要だ」と話している。

◆両陛下、児童らの作品鑑賞 高知

 天皇、皇后両陛下は27日、全国豊かな海づくり大会出席などのため、羽田発の特別機で高知県に到着された。

 香美(かみ)市の県立林業大学校を訪ね、木造建築を学ぶ学生らと交流後、高知市内のホテルへ移動。大会の一環として開かれた絵画、習字作品コンクールの優秀作品を鑑賞し、歓迎レセプションに出席した。

 両陛下は6人の小中学生の6作品を鑑賞。陛下が絵画コンクールの小学校低学年の部で県知事賞を受けた四万十(しまんと)市立中村南小2年、大塚健士朗君(8つ)に「どういうところを描いたんですか」と尋ね、皇后さまが「良い絵が描けましたね」とたたえるなど、和やかに談笑した。レセプションでは大会関係者と懇談した。

 

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