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【社会】

チーバなな、味わって 初の東日本産 来月から首都圏で出荷

千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」が貼られた県産バナナ。糖度の高さ、香り、食感の良さをアピール=千葉県成田市で

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 熱帯原産のバナナの栽培に千葉県成田市の農業法人が成功し、11月初めに首都圏で初出荷される。東日本で栽培されたバナナが商業ベースで出回るのは初めてのこと。千葉県の人気マスコットキャラクター「チーバくん」と掛け合わせて「チーバなな」と名付けられた。ゆるキャラとマッチングし、「甘さ、香り、食感」に秀でた高級バナナとしてアピールしたい考えだ。 (羽雁渉)

 「糖度の高さ、クリーミーな食感、豊かな香りは自信があります」。成田市で栽培に取り組んできた農業法人株式会社「GPファーム」の代表取締役半田貴裕さん(57)が、バナナを手に笑顔で話した。

 今回出荷するのはやや小さめのSサイズ。「チーバななという名称にはそんな意味もあります」。露地で育つが、強風対策と一定レベルの味を出すため、ハウスで栽培している。

 成田市近郊の道の駅、都内の一部高級スーパーなどに出荷する予定だ。価格は一本六百四十八円と高めだが、関係者は首都圏での需要は高いとみている。

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 本来、バナナは熱帯、亜熱帯の地域でしか育たず、100%近くを輸入に依存してきた。気温が一五度を下回ると枯れてしまうため、冬の時期でも育つ地域は日本では沖縄や小笠原諸島などに限られてきた。

 しかし、岡山市の農業法人株式会社「D&Tファーム」で取締役技術責任者を務める田中節三さん(69)が「凍結解凍覚醒法」と呼ばれる栽培技術を開発、成功したことで昨年から岡山で出荷が始まった。

 「熱帯地域で育つ植物は、氷河期を幾度となく乗り越えて生き抜いてきた。極寒の環境でも種を絶やさなかったのは、寒さに耐える潜在的な力があったからではないか」という仮説のもとに試行錯誤を繰り返した。

 その結果、たどりついたのがバナナの根の成長細胞に独自の凍結、解凍工程でマイナス六〇度の氷河期を体験させ、眠っていた耐寒性の能力を目覚めさせるという手法。この厳しい状態で生き残った苗だけを選抜し、千葉でも昨年九月から栽培を始めた。

「凍結解凍覚醒法」を開発した田中節三さん=岡山市で

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 氷点下の気象条件でも実を付けるほど寒さに強いため、成長も早い。また、無農薬で栽培できるのも大きな特徴だ。さらに、糖度も一般的なバナナより高いうえ、芳醇(ほうじゅん)な香りともちっとした食感があり、出荷が先行する西日本では高い評価を得ている。

 成田市からの出荷を始める半田さんは「研究を重ねながら、サイズ、食味ともにより上質のバナナを作っていきたい」と話している。

 

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