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【社会】

大津波試算「知りません」 勝俣元会長、無罪主張 東電公判被告人質問

勝俣恒久元会長

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 東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣三人の公判が三十日、東京地裁(永渕健一裁判長)であり、最高責任者だった勝俣恒久元会長(78)は初めての被告人質問に臨んだ。事故前に東電が得ていた原発敷地を超える最大一五・七メートルの津波試算について勝俣元会長は「知りませんでした」と述べ、あらためて無罪を主張した。 (蜘手美鶴)

 公判では大津波を予測できたかが最大の争点で、勝俣元会長は初公判で「津波や事故の予測は不可能だった」と主張。自らが出席した二〇〇八年二月と〇九年二月の幹部会議では、原発敷地を超える大津波が来る可能性が資料などで示されており、検察官役の指定弁護士は「予測は可能だった」と訴えている。

 被告人質問では、社長だった〇八年三月に子会社から東電原子力・立地本部にもたらされた最大一五・七メートルの津波試算について、報告は受けていないと主張した。会長に就任後の〇九年二月の幹部会議で、元社員が「最大一四メートルほどの津波が来るという人もいる」と報告したことについては「聞いたことがある」と認めたが、「部下のトーンが懐疑的に聞こえた。『そういう話もあるんだ』ぐらいに受け止め、いずれ対策が必要なら説明があると思った」と話した。

 この日で三人への被告人質問は終了。武藤栄元副社長(68)は自らの被告人質問で、〇八年六月、最大一五・七メートルの津波試算の報告を受けたが、同年七月に外部機関に試算方法を調査委託する方針を決めたと説明。「先送りと言われるのは大変心外だ」と述べた。武黒一郎元副社長(72)も外部機関への調査委託について「いいと思った」と、武藤元副社長と同様の判断をしたと明かしている。

 永渕裁判長はこの日、検察官役の指定弁護士が請求した事故現場周辺の検証は「必要性がない」と却下。次回の十一月十四日は、事故後の避難で亡くなった病院患者の遺族らが意見陳述する。

津波試算を巡る東電の動き(公判証言などによる)

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