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【社会】

マイナンバー 管理に注意 区監査委 墨田の小学校に「不適切」

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 東京都墨田区立の小学校が、提供を受けた個人番号(マイナンバー)通知カードの写しを、必要もないのに複製、保管していたとして、区監査委員が昨年度と本年度の定期監査で、二年続けて再発防止などを求めていたことが分かった。個人番号を管理するルールが徹底されていなかったことを示す事例といえそうで、専門家は「氷山の一角の可能性もある」と指摘する。 (大沢令)

 小、中学校などの昨年度の事務について区監査委員が今年六〜八月に行った定期監査の結果報告書などによると、小学校一校で講師に謝礼を支払うため提供を受けた個人番号通知カードの写しを複製、保管していた。これについて、監査委員は再発防止の徹底を求めた。

 二〇一七年に行った定期監査でも別の小学校で臨時職員から通知カードの写しの提供を受けて複製し、保管していたことが判明。マイナンバーを含む個人情報(特定個人情報)は厳格な安全管理措置が関係法令で定められているとして、適切に取り扱うよう注意を促していた。

 区教育委員会によると、通知カードの写しは謝礼や給与支払いの源泉徴収の手続きに必要だった。区の規定などに基づき、学校は特定個人情報が記録された文書を保管せず区教委に提出すべきだったが「念のため」などとして複製、保管していたという。施錠された場所で保管しており、漏えいはなかったとしている。

 区教委は「特定個人情報の適切な取り扱いについて周知が足りなかった。重く受け止め、再発防止を徹底したい」とし、校長会で定期的な注意喚起や事務職員の研修を行うとしている。区も担当課長会議で周知し、再発防止を指示した。

◆定期チェックを 氷山の一角か

<宮下紘・中央大准教授(情報法、憲法)の話> マイナンバーを含む書類を念のため保存しておくというのは漏えいしなかったとしても番号法などの法令上認められていない。厳格なルールを定めているのは、利用目的を超えた利用が漏えいのみならず、不適切な利用で本人への不利益を防ぐ狙いがあるからだ。マイナンバーを含む書類は業務に必要な最低限度のみを保存するにとどめ、個人情報を安全に管理するためのサイクル(収集−利用−保管−廃棄)を定期的にチェックしていくことが重要だ。

<石村耕治・白鴎大名誉教授(税法、情報法)の話> 特定個人情報の不適切な管理が学校でたまたま表面化しただけで、氷山の一角の可能性も否定できない。同一の番号が生涯変わらないというマイナンバー制度の利用範囲が広がり、不適切な管理が恒常化していけば漏えいなどのリスクがさらに高まる懸念もある。個人情報のプライバシー権に対する認識の甘さも根底にあるのではないか。特定個人情報が安全に管理されているか、すべての自治体で検証すべきだ。

<マイナンバー> 国民一人一人に割り当てられた12ケタの番号。通知カードにはマイナンバーのほかに住所、氏名などの記載がある。特定個人情報の収集、保管は盗用などによるプライバシー侵害を防ぐため正当な理由がある場合を除き、禁止されている。政府の個人情報保護委員会によると、特定個人情報の漏えいなどの報告は2017年度は374件。「重大な事態」とされた5件のうち1件は、自治体が約250人分のマイナンバーが記載された書類を紛失した事案だった。

 

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