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【社会】

中国人実習生「残業代未払い」 雇用農家に支払い命令 水戸地裁

 外国人技能実習生として働いていた茨城県内の農家で残業代未払いなどの不当な行為があったとして、中国人の女性(32)が農家と実習生の受け入れを仲介した監理団体に未払い分の支払いや損害賠償を求めた訴訟の判決で、水戸地裁は九日、未払い分と制裁金に当たるほぼ同額の付加金の計約百九十九万円を支払うよう農家に命じた。

 判決は、女性に支払われていた残業代は時給四百円程度と認定。代理人の指宿(いぶすき)昭一弁護士は「重大な違法行為。技能実習生だからその程度で働かせていいとはならない点を裁判所が認めた意義がある」と強調した。

 判決によると、女性は二〇一三年九月に来日し、翌月から大葉の摘み取りなどに従事していた。岡田伸太(のぶひろ)裁判長は夕方五時以降の残業時間帯に大葉を十枚ずつゴムで束ねる作業に関し「農家の指揮監督下で行われ、雇用契約に基づくものだ」として、残業に当たると判断。一時間当たりの作業量などを考慮して未払い分の残業代を算定した。

 女性を含む実習生らが雇用契約の範囲外で請け負った作業だったとの農家側の主張を退けた。

 判決は、女性が訴えた農家内でのセクハラ行為や、監理団体の指導義務違反に基づく損害賠償請求はいずれも棄却。女性から相談を受けて警察へ通報したことを理由に監理団体を解雇された元職員の男性(45)が解雇無効と賃金の支払いを求めた部分も退けた。原告側は敗訴部分を不服として控訴する方針。

<外国人技能実習制度> 外国人を日本の企業や農家などで受け入れ、習得した技術を母国の経済発展に役立ててもらう制度。1993年に創設され、期間は最長5年。職種は農業や機械加工、介護など77に上る。昨年12月末時点での実習生は約27万人で、国籍別ではベトナム、中国、フィリピンの順に多い。違法な時間外労働や賃金の不払い、職場での暴力やセクハラなどの問題も指摘されている。日本側の受け入れ窓口となる監理団体は、実習が適切に実施されているか確認し指導する義務を負う。

 

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