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【社会】

<税を追う>3機輸入 無人偵察機 技術指導料、米へ計514億円

今年9月、航空自衛隊三沢基地の航空祭で展示された米軍の無人偵察機「グローバルホーク」。日本には2021年度配備予定=青森県三沢市で(中沢誠撮影)

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 防衛省が米国から三機輸入する無人偵察機「グローバルホーク」について、操作や運航技術を学ぶため米企業から毎年数十人の技術者を招き、二十年間で計五百十四億円の「技術支援費」を米側に支払うことが分かった。給与だけでなく滞在費や渡航費も含まれるため、一人当たり数千万円と高額になる。三機にかかる二十年間の維持整備費約二千四百億円のうち、二割が米企業の技術者向けに支出されることになる。 (「税を追う」取材班)

 防衛省は二〇二一年度、米国政府の対外有償軍事援助(FMS)で購入する三機(計五百七十四億円)を航空自衛隊三沢基地(青森県)に配備する予定。地上からの遠隔操作で、高度一万五千メートル以上から長時間、北朝鮮や中国などの動向監視を行うとみられ、撮影した画像を地上に送信する。

 遠隔操作や運航コースの選定にはノウハウが必要で、防衛省は技術習得のため技術者を呼ぶことにしている。FMS契約を結び、米国政府を通じて製造元の米ノースロップ・グラマン側に技術支援費を支払う。仮に技術者を五十人とすれば年間で一人当たり約五千百四十万円となる計算だ。

 FMSの場合、米側の価格算出根拠が明確でなく、「言い値」になりがちだ。グローバルホークの技術支援費を巡っては昨年、藤田幸久参院議員(国民民主)が国会で質問。防衛省は後日、「米政府が米国企業に対して支払う役務の対価は承知していない」と回答していた。

 防衛省の担当者は取材に「技術支援費の支払いが初期だけになるか、廃棄までの二十年にわたるかは、米側との今後の協議次第」と話し、技術の習得が進めば操縦・運用を日本側だけで行うことも検討する。しかし、欧米系の防衛企業幹部は「FMS契約で一度決まったものを、米側が変えるのは考えにくい」と話す。

 防衛省幹部は「グローバルホークには軍事上の機密事項が含まれるため、米側が全面的に日本側に運用を任せる可能性は低い」と話し、技術支援費の大幅な減額は難しいとみている。

 

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