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【社会】

「キログラム原器130年お疲れ様」 質量定義変更前に公開

日本国キログラム原器(上段中央)と倉本直樹さん。=茨城県つくば市の産業技術総合研究所で

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 質量を表す単位「キログラム」の定義が、約百三十年ぶりに変わる見通しとなっている。現行の定義は「国際キログラム原器」と呼ばれる分銅の質量を一キログラムと定め、一八八九年に採用された。だが、汚れなどで重さが変わる問題があり、フランスで十六日に開かれる国際会合で、分銅を用いない方式で定義し直される。

 改定に向け、産業技術総合研究所(産総研=茨城県つくば市)は今月上旬に日本国キログラム原器を報道公開した。

 白金90%、イリジウム10%の合金でできた円柱形の分銅は、フランスにある国際キログラム原器の複製。日本には一八九〇年に届き、国内のはかりを調整する基準として使われている。

 汚れや湿気で変質しないよう、同研究所の地下で厳重に保管され、公開されたことはほとんどない。

 分銅を納めた金庫があるのは、鉄の扉と鉄格子で三重に仕切られた部屋の奥。金庫の内側には桐(きり)の棚が設けられ、二重ガラスのふたをかぶせたキログラム原器や、原器を複製した副原器などが並ぶ。

 厳重に保管しても重さの変化は免れず、国際キログラム原器は、最初の百年で指紋一個に相当する五十マイクログラムほど副原器より軽くなった。そのため、今回の改定で、分銅に頼らず「プランク定数」と呼ばれる物理の定数を使って設定する方式に置き換えられる。精密な計測には産総研も貢献した。

 産総研の倉本直樹さん(47)は「日本全体の質量の基準として百三十年お疲れさま、と言ってあげたい」と話した。(増井のぞみ)

 

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