東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

双子・三つ子育児 妊娠中から支え 北区の親ら悩み共有 18日に教室

「多胎ファミリー教室」を開催する双子の母親の稲垣智衣さん=東京都北区で

写真

 双子や三つ子の妊娠、出産、育児の不安を解消し、情報を共有しようと、東京都北区の双子の母親が今春、多胎児家庭のサークル「ツインズタイム」を立ち上げた。妊娠中の母親や家族らに早期に基礎知識を伝えるため18日、「妊娠期からの多胎ファミリー教室」を同区内で開く。講師を派遣する日本多胎支援協会(神戸市)によると、関東での開催は初めてという。 (中村真暁)

 「私が悪いのかな、もう少し何かできなかったのかなとつらかった」。同区のフリーアナウンサー稲垣智衣(ともい)さん(40)は、男児の双子を出産した約三年前を振り返り、声を詰まらせた。

 妊娠中、体調が優れない状態が続き八カ月で破水、状況をのみ込めないまま手術台へ。気付いたら二人とも二五〇〇グラム未満の低体重で生まれていた。

 多胎児の五割が妊娠三十七週未満の早産、七割が低体重で生まれる。当時はそうした知識は持たず、急にぺたんこになったおなかを見て、「普通」のお産ではなかったと落ち込んだ。

 おむつ替えや授乳、入浴、食事、荷物は常に二人分。出張が多い夫には頼れず、一人が入院すると、家と病院を行き来した。寝不足で、疲れた状態が続いた。一人生まれの家庭と同様に育児しなければと、焦りもあった。

 事前に知識があり、思いを共有する仲間がいれば必要以上に悩むことはなくなる、と感じ今年三月、地域の双子の母親たちと「ツインズタイム」を設立。有志七人でファミリー教室を開く準備を進めてきた。

 「多胎児家庭は外出すら難しく、地域に出られるのも出産後時間がたってから。その間に思い詰めてしまう可能性も」と稲垣さん。一方「多胎児家庭は笑顔が二倍、三倍にもはじけるうれしさがある。産んで良かったって思えるよう導きたい」と、ファミリー教室への参加を呼び掛ける。

 ファミリー教室は十八日午前九時半から、同区の北とぴあ(王子一)で。協会の佐藤喜美子理事が講師を務め、多胎妊娠や出産の基礎知識を紹介。先輩の母親や父親、祖父母との交流もある。参加費は一家族千円。申し込みは十七日まで。問い合わせは=tokyotwins.familyclass.project@gmail.com=へ。

◆虐待、うつ増える傾向

 日本多胎支援協会によると、多胎児家庭は単胎児家庭に比べ、産後うつや児童虐待が増える傾向にあるという。協会が厚生労働省の補助事業として昨年度まとめた調査では、多胎児家庭の虐待死の割合は、単胎児家庭の二・五〜四倍になると推定される。

 協会の天羽千恵子理事は「妊娠、出産で体力が低下し、授乳などで眠れなくなる。外出困難で引きこもり、行き詰まってしまう家庭は多い」と指摘。妊娠中から出産後をイメージし、家族で計画を立てることで「大変さは変わる。社会資源の利用も積極的に考えてほしい」と話す。

 妊婦やその家族を対象とした「多胎ファミリー教室」は、NPO法人「ぎふ多胎ネット」(岐阜県)のプログラムをベースに協会が二〇一五年に岡山県で初めて開催。医療や行政の関係者、先輩当事者が支援する側として参加する特徴がある。取り組みが全国の有志に広がり、協会がノウハウを指導、講師を派遣するなどして、これまでに大阪府や兵庫県など七道府県で開かれてきた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報