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【社会】

国も推進 スマートメーター 発火16件、東電公表せず

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 電気使用量をこまめに計測できる次世代型の電力量計として東京電力が各家庭などに設置している「スマートメーター」に不具合が見つかり、二〇一六年九月から一年間に、内部が燃える火災が十六件発生していることが分かった。東電は同型のメーターを同社管内に計二万四千台設置。現在取り換えを進めているが、同社として事故や不良品について公表していない。 (石井紀代美)

 東電は火災の発生日時と場所について公表していないが、本紙が入手した東京消防庁の資料によると、少なくとも十件は一七年一〜七月に都内で発生している。

 東電管内の送配電を担うパワーグリッド社(東京都千代田区)などによると、スマートメーターの製造元は複数あり、今回判明した十六件はすべて、東光東芝メーターシステムズ(埼玉県蓮田市)が製造。同社が一五年四〜十一月に製造したスマートメーターのコンデンサー部品に不良があり、想定以上の電流が流れたために抵抗部と基板の一部が焼損したとみている。いずれも建物への燃え移りはなかった。

 東電は今年三月にこのメーターが不良品だったと認め、取り換え作業を始めた。現在約四割の九千六百台が終わり、一九年三月末を目標にすべて完了させる予定だという。

 しかし、そもそも製品不良の情報が対象者に伝えられていない。取り換えの直前に文書で通知するのみだった。まだ工事が済んでいない約六割の一万四千四百台にも火災の可能性があるのに伝えられていない。

 自宅のスマートメーターが燃えた都内の女性は本紙の取材に「ものすごく大きなブザー音がメーターから出っぱなしだった。触るとかなり熱かった」と事故当時を振り返った。

 パワーグリッド社広報担当の橋和希氏は「スマートメーターのケースは燃えにくい素材を使用しているため、引火したり建物火災に至ることはない。通知をしていなくても大事に至らない」と説明。東光東芝は「担当者がおらず、コメントできない」としている。

 全国の事故情報をまとめた消費者庁のサイト「事故情報データバンクシステム」によると、スマートメーターの火災は、東電が設置した東光東芝製の十六件のほか、メーカーは不明だが今年八月下旬に埼玉県内で一件、九月上旬に滋賀県内でも一件が起きている。

<スマートメーター> 電力使用量を月ごとに計測する従来のアナログ式に対し、30分ごとに計測する。使用電力の「見える化」を目的に国が設置を推進している。東京電力は2020年度を目標にすべての利用者を対象に約2900万台を設置する計画。計測データが電波で電力会社に送られるため、電磁波過敏症の患者が設置を拒む例もある。消費電力で個人の生活パターンが分かることから、プライバシー侵害を危惧する声もある。

 

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