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【社会】

UDタクシー相次ぐ車いす拒否 トヨタに改善求め1万2000人署名

UDタクシーを利用して外出する中村仁さん(右)=29日、名古屋市で

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 誰もが使いやすいはずのユニバーサルデザイン(UD)タクシーが、車いす利用者の乗り降りには時間がかかって不便だとして、名古屋市中区の中村仁さん(67)らが二十九日、インターネット上で集めた改善を求める署名約一万二千人分を、UDタクシー「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」を製造するトヨタ自動車に提出した。 (佐々木香理)

 中村さんは病気のため歩けず、車いすで生活。通院にはタクシーが欠かせず、四月ごろ初めてジャパンタクシーを使った。車いすごと乗るには、助手席と後部座席を畳み、車載のスロープを設置する必要があるが、十五分近くかかる上、広い車外スペースも必要だった。結局、車いすから降りて運転手に座席まで持ち上げてもらった。

 中村さんは車体の構造に問題があり、運転手の負担も大きいとして、六月から署名サイトで署名活動を開始。約半年で全国の障害者やタクシー運転手ら一万一千七百十五人分を集めた。乗車拒否された経験を書き込む人もいた。

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向けUDタクシーの導入が進む中、中村さんは「今後は外国人の利用も増える。乗車トラブルで日本のイメージダウンにならないよう改良してほしい」と訴える。

 トヨタの担当者は「以前から利用者やドライバーから指摘を受け、改良を検討している。めどが付き次第公表したい」としている。

◆工程30以上準備に20分

 「車いすは乗せられないよ」。水戸市の八木郷太さん(22)は九月初旬、東京・新宿でタクシーに乗車を断られた経験が忘れられない。説得しようとしたが、運転手は「介護タクシーじゃない」「時間がかかる」と取り合わず、外国人客を乗せて走り去った。

 トヨタ自動車が昨年十月に発売した「ジャパンタクシー」の場合、二枚に分かれた三つ折りのスロープを広げ、車いすをベルトで固定するなど三十以上の工程が必要で、二十分程度かかる場合もある。八木さんは「健常者のようにタクシーを気軽に拾って目的地に行けるようになってほしい」と設計の見直しを求める。

 東京都新宿区の丹羽太一さん(51)は今年夏、東京・六本木で流しのタクシーに乗ろうとした際、二台から立て続けに見て見ぬふりをされた。「乗せ方が分からない」と言われたこともある。英国で今年「ロンドンタクシー」に乗った時はスロープの設置が数分で終わったという。

 障害者団体「DPI日本会議」が六〜九月にかけて車いす利用者に実施したアンケートによると、回答があった四十四件中、十一件で乗車拒否の経験があった。

 

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