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【社会】

大嘗祭 公費に異議 秋篠宮さま「宗教色強い」

53歳の誕生日を前に会見される秋篠宮さま=22日、東京・元赤坂の宮邸で(代表撮影)

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 秋篠宮さまは三十日、五十三歳の誕生日を迎えられる。これに先立ち、東京・元赤坂の宮邸で妻の紀子さまとともに記者会見に臨み、皇太子さまが新天皇に即位後の来年十一月に行う宮中祭祀(さいし)の「大嘗祭(だいじょうさい)」について「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と疑問を呈し、皇室の私的費用の「内廷費」で対応すべきだとの考えを示した。政府は公費の「宮廷費」から支出する方針を決めており、皇族が公の場で、政府方針に異を唱えたのは極めて異例。 (小松田健一)

 秋篠宮さまは会見で、「宗教行事と憲法との関係はどうなのかという時に、やはり内廷会計で行うべきだと思っています」と述べた。三十年前の平成の大嘗祭のときからの持論だったという。

 前回は大規模な大嘗宮の建設などで二十五億円を超える宮廷費が支出された。同じ規模なら、天皇家と皇太子家の生活費を含む内廷費(年間約三億二千万円)では賄いきれないが、「大嘗祭自体は私は絶対にすべきものだと思います。ただ、できる範囲で身の丈に合った儀式で行うのが、本来の姿ではないかなと思います」と語った。宮内庁長官にも持論を伝えていたといい、「話を聞く耳を持たなかった。非常に残念なことだった」とも話した。

 即位関連儀式は、内閣の助言と承認に基づく国事行為と、宗教色のある私的な皇室行事に大別される。大嘗祭を含む一連の宮中祭祀は皇室行事だが、政府は「重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格が認められる」との理由で前回と同様、宮廷費から支出する方針を決めている。

 また、長女眞子(まこ)さま(27)と国際基督教大学の同級生だった小室圭さん(27)との結婚が、二〇二〇年まで延期された件は「問題をクリアしなければ、婚約に当たる納采(のうさい)の儀を行うことはできません」と述べ、現状の正式婚約に難色を示した。小室さんの母と知人との間に金銭トラブルがあるとの複数の週刊誌報道を念頭に置いたとみられる。

 秋篠宮さまは来年五月一日に皇太子さまが新天皇に即位すると、新たに設けられる地位の「皇嗣(こうし)」となり、皇位継承順第一位の皇族として実質的な皇太子の役割を担う。

◆平成大嘗祭 経費25億円

<大嘗祭> 天皇が即位後、初めて迎える新嘗祭(にいなめさい)。古事記や日本書紀にも記述があり、奈良時代以前から行われていたとされ、皇位継承に伴う最も重要な宮中祭祀と位置付けられている。皇室財政が窮乏した15世紀の戦国時代に中断し、江戸時代の17世紀後半の東山天皇の即位時に復活した。具体的な所作は明らかにされていないが、新穀を天照大神(あまてらすおおみかみ)や祖先に供え、天皇自らも食して五穀豊穣(ごこくほうじょう)と国の平安を願う。平成の大嘗祭は1990年11月22〜23日に行われ、皇居・東御苑に儀式を行う「大嘗宮」を建築。経費総額は25億6000万円で、国費の宮廷費から支出した。

 一連の即位儀式をめぐり憲法の政教分離規定に反するとして各地で訴訟が起きたが、いずれも原告が敗訴。95年の大阪高裁は原告の訴えを棄却したが「政教分離規定違反の疑いを一概に否定できない」と指摘した。最高裁は国費投入について憲法判断をしていない。

 

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