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【社会】

「重い皮膚病」訳語消える 聖書新訳 ハンセン病連想に配慮

ハンセン病を連想させる「重い皮膚病」という訳語が「規定の病」に変わった聖書の表記

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 カトリックとプロテスタントが共同し、三十一年ぶりに新訳された聖書が刊行された。時代にふさわしい表現を目指し、ハンセン病への差別につながりかねない訳語を見直すなどした。

 日本聖書協会(東京・銀座)が翻訳・発行した「聖書 聖書協会共同訳」で、同協会が三日、発表した。

 カトリックとプロテスタントの計十八教派・団体が協力し、ヘブライ語とギリシャ語の原典をゼロから翻訳。日本の歌人や詩人らも手助けした。

 訳語の変更では、これまで「重い皮膚病」とされてきたヘブライ語の「ツァラアト」が、「規定の病」と改められた。以前は「らい病」と訳されており、「ハンセン病への偏見を助長する」として「重い皮膚病」に改められていた。

 「規定」の訳語は、旧約聖書レビ記に規定されていることから使われた。レビ記には、ツァラアトの病態が「患部の毛が白く変わり、皮膚の下まで及んでいる」と記されている。

 聖書協会の渡部信総主事は「聖書の内容を壊さずに翻訳するこれ以上の言葉はないという結論だった」と説明。注で「病理学的にはいかなる病気であったか明瞭ではない」と明記した。

 カトリック向けの旧約聖書続編付きが六千五百八十八円、続編なしのプロテスタント向けが五千七百二十四円。初刷りの発行部数はそれぞれ一万部、二万部。 (小佐野慧太)

<キリスト教の聖書> 神の天地創造以降の出来事を記すヘブライ語の旧約、イエス・キリストの誕生後を記すギリシャ語の新約からなる。日本語訳は、新日本聖書刊行会のプロテスタント向けなどがある。一般財団法人日本聖書協会は、1887年に明治元訳、1955年に口語訳を出し、87年にはプロテスタント、カトリックが共同して「聖書 新共同訳」を刊行した。

 

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