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【社会】

<税を追う>F35も補正で補填 「第2の財布」常態化

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 防衛省が二〇一五〜一七年度の各補正予算で、戦闘機F35Aの一部を生産する国内企業の設備費計百八十八億円を計上していたことが、本紙の調べで分かった。いずれも防衛省が予算要求したが本予算には盛り込まれず、補正で事実上、補填(ほてん)していた。自然災害など緊急対応のための補正予算が「第二の財布」として常態化していることが改めて浮き彫りになった。(「税を追う」取材班)

 補正予算に計上したのは、国内企業をF35Aの生産に参画させるための設備投資の一部。防衛省は二〇一五年度、次年度予算で七百二十三億円を概算要求したが、設備費が盛り込まれないと、次年度を待たずに一五年度の補正予算に計上した。一六、一七年度も同様に補正で計上した。

 防衛省は三年間の合計で三菱重工業に百三十六億円、IHIに四十七億円、三菱電機に六億円を支出した。機体の最終組み立てや検査を行う施設の建設費や、エンジンなどの部品製造に使う専用工具の製作費に充てられた。

 防衛省は補正予算を組んだ理由を「国内企業の製造態勢の早期確立のため、事業を前倒しして予算化した」と説明。「F35Aを前倒しで配備でき、専用工具の納入も早まった」と成果を強調する。

 しかし、納入を前倒しできた機体はわずか一機で、一カ月配備が早まっただけだった。国内の部品製造においても、生産ラインが動いたのは昨年末から。専用工具だけ先にできても製造に入れず、部品納入が早まることはなかった。

 現在は一九年度の本予算の編成中。防衛省はF35Aの取得に絡み、一八年度も補正予算を組むかどうかは「未定」としている。

 防衛省は米国政府の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づき、F35Aを取得中。全四十二機のうち、五機目以降は国内企業が製造に参画している。

 防衛予算を巡っては、一四年度以降、本予算だけでは賄いきれず、補正予算を組んで兵器購入に充てるようなケースが目立つ。米国製兵器の購入が急増していることが背景にある。

 本紙の調べで、護衛艦や潜水艦の建造費でも、本予算に盛り込まれなかった費用が補正予算で補填されていたことが明らかになっている。

 

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