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【社会】

<税を追う>F35Aの製造参画中止 国内3社へ既に1870億円

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 防衛省が四十二機の導入を進めるステルス戦闘機F35Aのうち、二〇一九年度と二〇年度に導入予定の残り八機について、国内企業の製造参画を中止し、米国製の完成品を輸入する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。防衛省は国内企業育成のため、機体の組み立てを行う三菱重工業など三社に、計千八百七十億円の設備投資をしてきたが、参画中止で多額の税金を投じた政策の是非が問われそうだ。

 防衛省は一九年度予算の概算要求で、一機百五十三億円で六機分の購入契約を結ぼうと九百十六億円を計上したが、財務省から見直しを迫られていた。米政府が今年、製造元のロッキード・マーチン社と契約した単価は約百億円。完成品輸入に切り替えることで、取得費を下げる狙いがある。二〇年度も完成品二機を輸入する方針だ。

 防衛省はF35Aの導入に当たり、一三年度から組み立て・検査に参画する三菱重工業に千百二十九億円、エンジンやレーダー部品を製造する三菱電機とIHIに計七百四十一億円を投資した。

 完成品を輸入した最初の四機は一機九十六億円だったが、五機目以降は日本企業の参画や円安の影響で、百三十億〜百八十億円と高騰。米側の発注の遅れなどにより、国産部品の一部搭載は二〇年度納入予定の十七機目から、全ての搭載は二三年度の三十五機目からと大幅に延びた。

 今回、三十五機目以降の八機が完成品の輸入に切り替わることで、全ての国産部品を搭載する機体は一機も完成しないことになる。

 防衛省は今後、現在の主力戦闘機F15(約二百機)のうち、改修が難しい約百機の代わりに導入するF35AとF35Bも、米国から完成品を輸入する方針だ。

 また、三〇年ごろから退役が始まる戦闘機F2(九十二機)の後継機開発も焦点となっている。防衛省は完成品の輸入で停滞する国内企業育成のため、日本主導の開発も検討する。ただ、機体価格の高騰につながる恐れがあり流動的だ。

 (「税を追う」取材班)

<三菱重工業の話> 現状、防衛省から説明はない。機体の最終組み立て・検査は日米防衛協力を示す重要な例として、米側に捉えられていると聞いている。

<三菱電機の話> 政府方針によるところであり、コメントは差し控える。

<IHIの話> 防衛省から説明を受けておらず、コメントのしようがない。

 

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