東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

不正入試 追加合格100人超検討 9大学医学部、来春入試枠充当

順天堂大の前で抗議する学生ら=14日、東京都文京区で

写真

 文科省は十四日、東京医科大(東京都新宿区)の不正入試問題を受けて実施した、医学部医学科を置く全国八十一大学に対する緊急調査の最終まとめを公表した。女子や浪人生を不利に扱うなど、不適切な入試を行っていたとして、十校の大学名を明らかにした。うち、不正を認めた九校は計百人以上の追加合格を検討しており、多くは来春の入試枠を充てる。来春の募集人数は追加合格者の分だけ減る見込みで、受験生からは「不祥事のしわ寄せが受験生に来るのはおかしい」と批判の声が上がっている。 (原尚子、柏崎智子)

 最終まとめでは、不正を認めた九校を「不適切」と認定し、不正を否定している聖マリアンナ医科大(神奈川県)を「不適切な可能性が高い」とした。

写真

 不適切な入試は、女子差別▽浪人年数・年齢で差別▽出身地や居住地による優遇−などで扱いに差をつけるものと、同窓生の子女ら特定の受験生を優遇するものがあった。また、合否判定に影響はなかったが、疑惑を招く事例として「同窓会から推薦のあった受験者リストを作成」など九例を挙げた。国公私立の十校以上で確認されたという。

 聖マリ大では過去三年間の入試で、調査書の平均点が男子が女子より最大二・六倍、現役生が長期浪人生より最大十五倍高かったと指摘。柴山昌彦文科相は十四日の会見で「不適切な事案と認識している」と発言し、第三者委員会を設置して調査するよう求めた。

 文科省は年明けにも、大学・法曹関係者らで全入試共通のルールを検討し、来年六月に通知する大学入学者選抜実施要項に反映させる。柴山氏は「違反した場合には一定のペナルティーが必要と考える。運営費交付金や補助金のあり方も含めて検討する」と述べた。

◆受験生「しわ寄せおかしい」

 「大学が長年続けてきた不祥事のしわ寄せが、なぜ今度の受験生だけに来るのか」。都内の二浪の女性(20)は、来春の募集人数が大幅に減ることに憤った。今春は公表された十校中六校を受けたが、来春は東京医大と順天堂大(東京都文京区)を受験しない。

 医学部の定員は医師の需給バランスを考慮して閣議決定され、来年度は四人増の九千四百人余り。大学は定員を増やせないため、新年度の枠に吸収させる措置だが、女性は「別の方法を考えてほしかった」。

 今春、十校中八校を受けた三浪の男性(21)は「混乱している」。センター試験を約一カ月後に控えたこの時期に募集減を知っても、受験校の変更は難しい。「不正に落とされ、今度は募集減。二重苦だ」

 医学部専門予備校「プロメディカス」の武林輝代表は「募集を減らす百人という数は、医学部一つ分。受験生への影響は大きい」と話した。

 十四日夜には、「女子はコミュニケーション能力が高い」として男子に加点していた順大の前で、学生や支援者ら十五人が抗議した。近くの病院に配慮してマイクを使わず「女性差別を許さない」と書いた横断幕を掲げた。

 筑波大医学部六年の山本結さん(24)は「世間では通らない理屈。男子のこともばかにしている」と憤る。昨年の一次試験で不正に落とされた女性のメッセージを紹介し「人生をかけているのに、補償は受験料六万円の返金だけ。来年また受験してなんて軽く言わないで」と読み上げた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報