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【社会】

防衛費増大に抗議声明 大学教授ら「人権規約に反する」

防衛費の増加に抗議する申惠ボン(しんへぼん)教授(右)=20日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で

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 米国製兵器の輸入拡大で防衛費が毎年増加している問題で、申惠ボン(しんへぼん)青山学院大教授(国際人権法)らが二十日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で会見し「政府が米国などから莫大(ばくだい)な額の兵器を買い込む一方で、生活保護費や年金の切り下げ、貧弱な教育予算を放置することは、憲法の平和主義、人権保障だけでなく、国際人権規約に反する」との抗議声明を発表した。 (山本哲正)

 声明は申さんら十八人の大学教員や弁護士が呼び掛け、東京大大学院の高橋哲哉教授(哲学)、小林節慶応大名誉教授(憲法学)、伊藤真弁護士ら約二百十人が賛同者に名を連ねた。

 声明では、安倍政権は史上最高規模の防衛予算を支出し、その補填(ほてん)として補正予算も使っているのは、憲法の財政民主主義に反すると指摘。「主要先進国で最悪の財政状況にある日本にとって、米国の赤字解消のため借金を重ねて巨額の予算を費やすのは常軌を逸している」と批判している。

 一方で「政府は生活保護費の減額で予算削減を見込んでいるが、米国からの野放図な兵器購入を抑えれば必要なかった」と指摘。「社会保障や適切な生活水準の権利の実現を後退させることは、国際人権規約に反する」とした。

 申さんは会見で「巨額の武器を米国の言い値でローンまで組んで買うのが問題。貧困・格差が広がっており、財政破綻しないように限られた予算をどれだけ防衛費に割くか、真剣に考えないと。中国が軍事力を増やすからと張り合えば、際限のない軍拡競争。十九世紀に逆戻りだ」と話した。 

<国際人権規約> 1948年の「世界人権宣言」を条約化し、66年に国連総会で採択され、76年に発効した。社会保障を受ける権利や教育を受ける権利、労働権などを定めた「社会権規約」と、差別の禁止や思想、言論の自由などを定めた「自由権規約」の二つから成る。

 

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