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【社会】

<税を追う>防衛費 借金漬け鮮明 補正予算への付け替え拡大

 二〇一九年度の防衛予算は実質的には五兆五千八百億円−。二十一日に閣議決定した一九年度予算案で、防衛費は五兆二千六百億円だったが、同時に決定した一八年度の第二次補正予算に兵器ローンの返済三千二百億円が計上されたからだ。過去最大を毎年更新し続ける防衛予算だが、一般から見えにくいところで、さらに膨張している。

 ■異例の措置

 防衛省は八月の一九年度予算概算要求で、上限いっぱいの五兆三千億円を要求。そのため例年は二千億円程度盛り込む米軍再編関係費の額を盛り込まない異例の措置を取った。安倍政権が米国製兵器の輸入を拡大させ、兵器ローン返済のための「歳出化経費」が増大。予算が組めない状況に追い込まれていたからだ。

 「(米軍関係費は)予算要求枠とは別に考えることもできる」。ある政府関係者は今回の予算編成にあたり、そう話していたが、結局、約千九百億円を計上して本予算に入れることに。

 そこで防衛省は防衛関連企業に支払い延期を要請したものの失敗。最終的には、一九年度の兵器ローン返済の一部に当たる約三千二百億円を、本年度の補正予算に前倒しで付け替える手法に頼った。

 「第二の財布」を使った裏技的なやり方は一四年度から顕著になり、毎回二千億円前後が組まれたが、今回は一次補正を合わせると四千五百億円に達した。

 補正予算は本来、災害時や不況対策で組まれるが、今回はP1哨戒機やC2輸送機などのローン払いで三千億円規模に上る。「補正予算の趣旨に照らせばおかしい」との疑問は防衛省の内外でくすぶる。

 ■国民にツケの恐れ

 高額兵器の取得費を複数年度で支払う兵器ローンの「借入」と「返済」のバランスが大きく崩れたのも特徴だ。一九年度のローン返済が約二兆円なのに対し、新たな借金は約二兆六千億円。返済額の一・三倍も借金をする形だ。米国政府の対外有償軍事援助(FMS)に基づく米国製の兵器輸入拡大が、防衛費を圧迫していることが背景にある。

 一九年度、FMSでは初の七年の長期契約を早期警戒機E2D調達で結び、価格低減を目指すが、米側次第の制度。岩屋毅防衛相は二十一日の会見で「米側を完璧に拘束できるものではないが、最大限の努力をしたい」と不透明さを認めた。

 今後も借金残高は増加傾向が続きかねないが、防衛省担当者は「効率化などを徹底し抑制に努める。今後のことは確たることはいえない」と繰り返すだけだ。

 「活動経費はこれ以上削れない。油がなければ船も車も動かない」と自衛隊幹部。国民にさらなるツケが回ってくる恐れは十分ある。 (「税を追う」取材班)

 

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