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【社会】

汚染水貯蔵継続の議論せず 福島第一、有識者会議で先送り

 東京電力福島第一原発で汚染水の浄化処理後も残るトリチウムなどの放射性物質を含んだ水について、処分方法を検討する政府の有識者会議が二十八日、都内であった。八月の公聴会で、参加者から出た「タンク貯蔵継続」の議論はされないまま、年明け以降に持ち越された。政府は海洋放出を有望視するものの、漁業関係者が強く反対しており、出口は見えない。

 原発構内のタンクに貯蔵している水は、東電が「貯蔵量の限界が近い」としているため、政府が二年前の別の有識者会議で、海洋や大気中への放出、地層への注入など五つの処分方法を提示。これを受けて、今回の有識者会議は、水の処分で起こりえる「風評被害」を中心にした社会的な影響を議論するために設置された。

 ところが、八月に福島・東京で開いた公聴会で参加者から「タンクでの長期保管を検討するべきだ」との意見が相次ぎ、風向きが変わった。山本一良(いちろう)委員長(名古屋学芸大副学長)は「議論する」と明言したが、公聴会以降の三回の会議で議題に上がっていない。

 一方、処分ありきと思えるテーマが議題になっている。この日は、水を放出した場合の放射性物質の測定方針について議論があり、委員の一人は「放出方法とセットで具体的に議論するのがいいのでは」と発言。処分方法の議論を促すような場面もあった。

 会議終了後、事務局の経済産業省資源エネルギー庁の担当者は、貯蔵継続の議論について「期間や場所、形態など論点が多岐にわたり、準備に時間がかかる」と釈明。「拙速に結論を出さず、丁寧に議論していく」と述べるにとどめた。 (松尾博史)

 

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