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【社会】

和久峻三さん死去 88歳「赤かぶ検事」

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 「赤かぶ検事」シリーズなどの法廷ミステリーを数多く手掛けた作家の和久峻三(わくしゅんぞう)(本名古屋峻三(ふるやしゅんぞう))さんが十月十日、心不全のため死去した。八十八歳。大阪市出身。遺言により葬儀は行わなかった。

 京都大法学部を卒業後、中部日本新聞(現中日新聞)記者を経て、作家に。後に司法試験に合格し、弁護士としても活躍した。「仮面法廷」で一九七二年度に江戸川乱歩賞、「雨月荘殺人事件」で八九年に日本推理作家協会賞を受賞した。

 「赤かぶ検事」シリーズは中村梅雀さんら主演で、「あんみつ検事」シリーズは片平なぎささん主演でそれぞれテレビドラマ化され、人気を博した。

 夏目大介の筆名で「幽界戦士」「恐竜王子」といったSFバイオレンス小説も手掛け、趣味を生かした写真集「日本の原風景」も話題となった。元最高裁判事の故滝井繁男さんは実弟。

 ◇ 

 和久峻三さんの代表作「赤かぶ検事」シリーズは、岐阜県高山市などを舞台にしたミステリー。<おみやぁさんも、大変じゃな>など名古屋弁で話す中年検事の主人公が、執念深く事件を追う。和久さんは、一九五五年から約六年間、中日新聞社で記者として活躍した。このころの経験が、登場人物らの造形につながっているのかもしれない。

 作家としてデビューした後も、本紙との縁は続き、九四年から約五年間は、法律解説の漫画連載「典子におまかせ! わくわく法律探偵事務所」で原作を担当。作画の古城武司さんとのタッグで実際の裁判や社会問題を取り入れつつ、女性司法修習生が奮闘するストーリーを描いた。

 作家辻真先さん(86)は「ミステリー作家に対する世間の評価を高めてくれた功労者だった。同世代の作家が亡くなり寂しい」と別れを惜しんだ。 (谷口大河、世古紘子)

 

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