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【社会】

平成最後「講書始の儀」 皇居で両陛下 本庶さんら講義

「講書始の儀」で講義を受けられる天皇、皇后両陛下=いずれも11日午前、宮殿・松の間で(代表撮影)

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 天皇、皇后両陛下は十一日、皇居・宮殿「松の間」で、年頭に当たり、学問の各分野の第一人者から講義を受ける「講書始の儀」に臨まれた。平成最後の講書始で、ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授ら三人が進講者となった。宮内庁によると、四月に退位する天皇陛下と、皇后さまの出席も最後となる。

 本庶氏は、免疫を利用した新たながん治療法の実用化に道を開いたと評価され、昨年、同賞を受賞した。今回は「免疫の力でがんを治せる時代」をテーマに講義。新しい免疫療法は従来の治療法に比べて、末期がん患者のうち二〜三割が救われたと説明した。

 日本の「妖怪文化」を紹介したのは民俗学が専門の国際日本文化研究センター(京都)の小松和彦所長。妖怪は、人間の想像力が生み出した「文化」だと指摘し、アニメや小説など現代の大衆・娯楽文化を生み出す素材となっていると解説した。東京大の江頭(えがしら)憲治郎名誉教授(商法)は、企業が、社外などからのチェックを受けながら、不正のない経営をする「日本のコーポレート・ガバナンス」について詳しく話した。

 両陛下は三氏の講義を熱心に聴いていた。皇太子さまと秋篠宮ご夫妻ら皇族、日本学士院関係者らも陪席。微熱の症状が出た皇太子妃雅子さまは出席を取りやめた。

 講書始の儀は、明治時代に始まった「御講釈始」が由来とされる。大正時代に宮中儀式として制度化。現在の形式になったのは一九五三年からで人文、社会、自然の各分野の研究者が進講者となった。平成に入り昭和天皇が亡くなった八九年や翌九〇年は取りやめとなっている。

 進講者はこれまでも、江崎玲於奈氏や野依良治氏、小林誠氏らノーベル賞受賞者が務めたことがある。

<講書始の儀> 講書とは書物の内容を講義する意味。天皇、皇后両陛下が、学問の第一線で活躍する研究者から説明を受ける宮中儀式で、毎年1月に皇居・宮殿で開かれる。講師として招かれる「進講者」は、人文科学、社会科学、自然科学の3分野から選ばれる。学問奨励のため、明治天皇が1869年1月に京都御所で行った「御講釈始」が由来とされる。当時は「国書」や「漢書」についての講義だったが、その後「洋書」も加わるようになった。戦後の1953年からは、現在のような3分野の講義形式が慣例となった。

京都大の本庶佑特別教授

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