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【社会】

病院で手錠腰縄「人権侵害」 入管収容者訴え 写真拡散、議論に

 入管施設に収容された外国人が職員に伴われ病院に行く際、待合室で手錠や腰縄姿をさらされるのは人権侵害との指摘が、実際の様子を捉えた写真とともにインターネット上で提起され、論議になっている。

 東京入国管理局は「逃亡防止のため」と説明するが人権問題の専門家は「人格の尊厳を傷つける」と批判している。

 写真は昨年十月、制服姿の東京入管職員がバングラデシュ出身の難民申請者マルフ・アブダラさん(36)に手錠や腰縄をし、病院待合室を連れて歩く様子を居合わせた人が撮影し、外国人を支援する織田朝日さんに相談。織田さんがネットに公表し入管を批判、写真は拡散し議論が起きた。手錠はむき出しでなくカバーが付いていた。

 アブダラさんは「実態を知ってほしい」と写真や実名の公開を了承し、共同通信に「腰や膝の診察だが、緊急ではない。手錠や腰縄は辱めだ」と指摘。「私は犯罪者ではない」と訴えた。

 拘束者の護送を巡っては、刑事裁判の日本人被告が眼科受診の際、手錠や腰縄のまま待合室を歩かされたと国を提訴。大阪地裁は一九九五年「人格権に対する違法な加害行為」と賠償を命じ、最高裁で確定した。

 法務省矯正局によると、現在、所管する刑務所や拘置所で受刑者らを病院に連れて行く際、職員は私服に着替え裏口から入るなど人目に付かない配慮をするという。

 中央大法科大学院の北村泰三教授(国際人権法)は、入管収容は司法の刑罰手続きでなく行政の措置であり「推定無罪を受ける刑事被告人と同様か、それ以上に人権を守る必要がある」と話す。

 東京入管は「省令に従い逃走防止のため手錠、腰縄をするが、人目に触れさせない配慮をしている。この写真は一場面だけを切り取ったため常に公衆にさらしている印象になった」と説明した。

 

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