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【社会】

「同意なく7本以上抜歯」 大阪入管収容者、提訴

 強制退去を命じられ大阪入国管理局に収容中の韓国人男性(35)が施設外の歯科医院(大阪市住之江区)で二〇一六年に治療を受けた際、同意なく七本以上抜歯され、精神的苦痛を受けたなどとして国と歯科医院に計約千百万円の損害賠償を求め大阪地裁に提訴したことが十九日分かった。

 歯科医院は、男性は同意しており、口内の状態が悪化していて抜歯しなければ命の危険もあったと反論している。提訴は昨年十二月二十八日付。

 入管収容者に十分な医療が提供されていないと指摘される中、国に加え外部医療機関の在り方も問われる訴訟となった。

 訴状によると、男性は激しい歯痛により一六年九月五日、入管職員に連れられ歯科医院を受診。抜歯のリスクやそれ以外の方法、抜歯本数などの説明はなく緊急で抜歯されたという。

 訴状はまた、入管職員は男性に七本抜歯と説明した一方で歯科医院作成の文書には九本抜歯との記載があり、実態不明と指摘。男性は食事困難となり、精神的苦痛を受けたとも主張している。

 さらに「必要のない抜歯が行われ、インフォームドコンセント(説明と同意)を得られるよう説明すべき義務も怠った」と述べ「国は十分な医療態勢を構築していない」と訴えている。

 歯科医院は取材に「抜いたのはぼろぼろの根だけ残った部分で健全な歯ではない。意識はもうろうとし、発熱もあり抜歯しなければ死の可能性もあった」と指摘。「男性はずっと口を開き抜歯を承諾していた。命を救うために最善の処置をした」と話した。法務省は「訴訟にかかわるため回答を差し控える」とした。

 

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